デジモノには必ず保険をかけておきましょう
出発したのは5月24日。日本からジンバブエまでは乗り継ぎを含めて合計20時間ほど。ビクトリアフォールズ空港には太陽がさんさんと降りそそいでいた。南半球なので冬のはずなのだが……ずいぶん遠くに来たなという感慨をよそに、いきなり事件が発生した。
「あれ、伊予柑。おいらのバッグの電源アダプタ知らない?」
ホテルで荷物をあけたひろゆきが筆者に呼びかけた。筆者がバッグを見ると、鍵が壊れている! 南京錠で止めたはずのファスナーがこじ開けられ、中が荒らされた様子だ。あわててバッグを見てみると、SDカードとCFカードがなくなっている。
「これは空港でやられたかな」とひろゆき。「俺のほうは放送機材とか、他には被害ないみたいです。なんでSDカードだけ……」「んー。価値が誰にでもわかって換金性が高いから。あと、ポケットに入るから。荷物運ぶ職員の仕業かな」
ひろゆきの冷静な分析に頷くものの、盗まれたものたちは戻ってこない。アフリカの大地の洗礼を受けてしまった。とりあえず荷物のことは一時忘れ、生放送準備をすることにしたのだった。
ちなみに南アフリカの国際空港は、世界一危険な街といわれるヨハネスブルグにある。「本当に荷物の預け入れは危険なのか」実験してみた。
まず、カバンの簡単に開けられるようなところに高価なケーブル類を入れる。そして、その上にタバコを置いておく。ドロボーがタバコだけで満足してくれるのではないかという淡い期待に基づいたものだ。
緊張しながら空港に荷物を預け、帰国後にバッグを開けたところ……見事にタバコだけが盗まれていた。タバコだけが盗まれる空港の治安に呆れるべきか、実験大成功と喜ぶべきかは微妙なところだが、貴重品は預けないようにするべきかもしれない。
■保険はどうなの?
荷物については、最後に運送を請け負った南アフリカ航空が責任を持つ。だが、SDカードは空港では「貴重品」扱いとなり、盗難では保証が受けられなかった。そこでジンバブエの空港で盗難があったという証明書を書いてもらい、あらかじめ契約していた日本の保険会社に保証をお願いできることになった。なお、壊されたバッグはきちんとクレームをつけたところ修理対応となった。