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Interop Tokyo 2010レポート ― 第6回

きめ細やかな配慮に驚く

データセンターでも光る!富士通の「和のものづくり」

2010年06月11日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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富士通ブースはクラウドのインフラと活用をテーマに、サーバーやネットワーク機器、セキュリティ製品まで幅広い製品を展示されていた。なかでも担当の琴線に触れたのは、きめ細やかな配慮を施したクラウドサーバーと現場の声を活かした1台のスイッチだ。

ラックからクラウド仕様
「PRIMERGY CX1000」が見られる

前面にケーブルが集まる「PRIMERGY CX1000」

 富士通ブースで目を引くのは、データセンターやクラウドサービスに最適な高密度サーバー「PRIMERGY CX1000」だ。物量勝負のスケールアウトコンピューティングに完全フォーカスしており、簡素なサーバーをラックにギューッと詰め込みました!という製品である。

 PRIMERGY CX1000の最大の特徴は、サーバー自体に冷却ファンを持たず、ファンを備え付けたラック単位で冷却を行なう点。つまり、サーバーの前面から吸気し、背面からの排気を2つの巨大ファンで下から上へ向けて集中冷却するのだ。これにより既存のラックマウントサーバーに比べて、約13パーセントの消費電力の削減が可能になったという。この排気方式により、2つのラックは背中あわせで設置することが可能なので、ラックマウントサーバーで必要だった後部の面積が削減される。「単体のサーバーでの冷却はどうしても限界があります。そこで、ラックを含めて最適な冷却を考えたのがCX1000」とは説明員の弁だ。ラック幅は既製品の同じだが、巨大ファンを格納する上部のみ上に長いという。

 感心したのが、まずケーブリングがすべて前面で行なえること。CX1000の場合、事実上背面は集中冷却スペースなので、すべてフロント側で配線や操作ができることになる。また、サーバーの背面にある排気用の穴の大きさが、上と下で違うのもミソ。これにより、冷却ファンの近くにある上部のサーバーと、ファンから遠い下部のサーバーで冷却効果が均一になるのだという。非常に細かい配慮で、ちょっと驚いた。Best of Show Awardでグランプリをとったのもうなづける。

エアフロー、ポート位置、設定管理まで
こだわりまくったSR-Xシリーズ

 もう1つデータセンター向け製品として紹介したいのが、4月に発表された「SR-Xシリーズ」だ。10GbEのレイヤ2スイッチで、サーバーを収容するのに特化したアグリゲーションスイッチである。ここまで聞くと普通だが、繊細な和のものづくりを感じさせる「こだわり」があちこちにちりばめられている。

富士通のサーバー収容スイッチ「SR-X526R1」

 SR-Xシリーズのこだわりの1つはエアフローだ。通常、多くのネットワーク機器は、側面からの吸気・排気になり、前面吸気・背面排気のサーバーと空気の流れが90度異なる。特に多ポートスイッチの場合、前面には高密度にポートが実装されているため、前面の吸気は難しい。こうなるとラック内で熱だまりが発生し、冷却のために電力を消費することになる。一方、SR-Xではサーバーと同じく前面吸気・背面排気にし、無駄な熱だまりを作らないようにしているのだ。また、サーバーのネットワークポートや電源が背面に来ることを見越して、ポートと電源も背面に設置されているのだ。そのため、電源とポートが同じ背面に配されるというユニークな面構えになる。

「SR-X526R1」ではポートと電源が並んでいる方が「背面」になる。パネルが裏側になっているのはそういう事情だ

 さらに驚くのが、前面に挿入するファンユニットを引き出し、ファンの方向を入れ替えることができるという点。つまり、データセンターの冷却設計にあわせて、エアフローを逆にすることが可能なのだ。

左右のファンユニットで比べると、中央のファン部品でエアフローの矢印が逆になっているのがわかるだろうか

 設定・管理に関しても、シリアルケーブルではなく、LANケーブルをつないで、Webブラウザから行なえる。こう聞くとDHCPでIPアドレスが自動的に割り当てられると思うのが普通だが、SR-XはLLDP(Link Layer Discovery Protocol)を用いる。最新のWindowsのようにLLDPをサポートしているOSであれば、IPアドレスを意識せず、SR-Xを勝手に見つけてくれるわけだ。

 現場のエンジニアのため、L2スイッチにここまで緻密なこだわりを組み込める富士通に、日本メーカーの底力を見た気がした。

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