6月11日に閉幕したInterop Tokyo 2010だが、最終日は天気もまずまずで会社からの直帰組みが展示会場にあふれた。ここではアラクサラネットワークスと日立電線という2つの国産ベンダーのブースを紹介する。
うちは間引きません!フローマイニングの正体は?
NECと日立製作所のネットワーク機器部隊が合併してできたアラクサラネットワークスだが、昨年には設立から満5年を迎え、ようやくブランドも確立されてきた感がある。キャリア向けのルーターからスタートした同社だが、この2~3年はボックス型のスイッチも展開するようになり、グリーンIT、フォールトトレラント、仮想化対応、トリプル認証などの独自性も打ちだしてきている。
そんなアラクサラのブースでは、クラウド構築に必須の安定性や運用性をメインに打ち出し、ネットワークの異常をいち早く検知する「フローマイニング」と呼ばれるトラフィックモニタ技術を披露した。
フローマイニングの最大の特徴は、従来のsFlowやNetFlowのようにトラフィックを間引くサンプリングを行なわないこと。全パケットを取り込んで、リアルタイムにフローの統計を収集するという荒技をこなす。会場のデモは、通信相手数を縦軸、帯域を横軸にとった統計グラフが用意され、攻撃対象を探索するポートスキャンを解析結果から割り出すというもの。帯域が大きく、通信相手も多いというトラフィックを検出し、さらに使用されているポートやバースト性などを調べることで、間欠的にスキャンが行なわれているころがわかるわけだ。デモでは、トラフィックをミラーで収集し、Aggregated Flow Miningというハードウェア型のエージェントでフローを分析。しきい値を超えたもののみをコレクタのPCに送り、モニタで表示するという構成で行なわれた。今後はスイッチの機能として統合していく予定だという。
また、先頃発表されたばかりのフォールト・トレラント対応スイッチ「AX2500S」も展示された。これは2つの異なるスイッチ間でリンクアグリゲーションを行なうSML(Split Multi Link)を搭載することで、落ちないネットワークを実現するもの。SMLの機能は旧ノーテルのスイッチなどが実装していたが、ボックス型では珍しい。その他、十八番と呼べるダイナミック省電力機能やWeb/IEEE802.1X/MAC認証の3つをサポートするトリプル認証もサポートしており、まさにアラクサラらしい製品に仕上がっている。
40GbEのボックス型スイッチをいち早く披露
同じ日立系列でありながら、日立電線は大容量伝送を行なうEthernetスイッチを得意とする。スカイブルーの筐体を全面採用した「Apresiaシリーズ」を並べたブースは今年も健在で、「テラへ。SKYクラウド。」をテーマに数多くの製品が展示された。
今回の目玉は先頃発表されたばかりの「Apresia15000シリーズ」であろう。40GbE/100GbEの製品は、シャーシ型製品のスイッチモジュールではいくつか発表されているが、ボックス型スイッチはおそらく世界初と思われる。100GbEを先に投入するというブロケードのようなベンダーもいるが、日立電線はより低価格な40GbEからスタートするという。広帯域なアップリンクが登場したことで、むしろ10GbEの普及に貢献しそうだ。製品の出荷は来年の2月とやや先で、会場でも静態展示にとどまっていた。製品化に向けてはデータセンターでの利用を見越して、FCoEやDCB(DataCenter Bridge)への対応も予定しており、期待したいところ。
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