メトロもデータセンターも任せろ!
ワイヤスピード・ポート密度を追求するブロケードの両刀
2010年06月10日 06時00分更新
ブロケード・コミュニケーションズ・システムズはコアルーター、FC(FibreChannel)スイッチ向けに高速・高密度な2つのブレードを投入した。NetIron MLXなどの製品戦略を統括しているサンジェイ・カンナ氏にInterop Tokyo 2010の会場で製品の特徴について話を聞いた。
データセンターとサービスプロバイダ向けで
異なるブレード
ブロケードは、FCベースのSANスイッチを手がけつつ、買収したファウンドリーのIP系ネットワーク製品を着実に育て上げている。そんな同社が今回発表したのが、シャーシ型コアルーターである「NetIron MLX」向けの10GbEブレード、同じくシャーシ型SANスイッチ「DCX」向けのFCブレードという2つの製品だ。
2つのブレードの特徴は、高い伝送容量とポート密度だ。「現在、サービスプロバイダで扱うトラフィックの90%が、インターネット関連だ。ビデオやモバイルのトラフィックが増えているので、IXでも18~24カ月で扱うトラフィックが2倍ずつ拡大している」(カンナ氏)。こうしたなか、「既存のシステムを活かしながら、高速化を実現する」(カンナ氏)ための製品が今回発表されているブレードになる。
1つめの「Brocade 8×10Gigabit Ethernet Blades」は、ハーフスロットに8個の10GbEポートを搭載するモジュール。コアルーター「NetIron MLX」に挿入することで、1台につき最大256個の10GbEポートを搭載することができる。また、消費電力の既存製品に比べて、45%の削減となっているという。さらに、ロスレスEthernetであるFCoE(Data Center Bridging)にも対応する。
製品はメトロ向けの「Brocade 8×10G-M」、データセンター向け「Brocade 8×10G-D」の2つが用意される。同社によると、メトロは通信事業者やサービスプロバイダのネットワークを表わし、IXやインターネットバックボーンでルーティングを行なったり、有線や無線などさまざまなアクセス手段からの集約を実現する用途になる。一方、データセンターはサーバーやルーターの集約やクラスタコンピューティング、データセンター間のMPLS/VPLS接続をメインにする用途を指す。これに対して、「メトロ向けの-MのほうがMPLSやVPLSなどの機能がリッチで、扱えるルートも多い。データセンター向けの-Dはシンプルなスイッチングをメインにしているので、より安価に済む。しかし、両方ともIPv4だけでなく、IPv6も対応する」(カンナ氏)とのこと。
10GbE超のブレードに関しては、40GbEよりむしろ100GbEにフォーカスするという。年内に100GbEのブレードを投入し、40GbEはその後になる予定。「サービスプロバイダの帯域に対する要求はかなり逼迫している。その意味で40GbEでは帯域への要求を果たせない可能性がある。大規模なデータセンターを持っているデータセンターは、100GbE以上のものを求めている」(カンナ氏)との認識だ。
もう1つの「Brocade FC8-64 Blade」は8GbpsのFCポートを64ポート搭載するブレード。シャーシ型のSANスイッチ「DCX」に搭載することで、最大512ポート、より小型の「DCX-4S」で最大256ポートまで搭載できる。
インターネットのトラフィック増大は、まさにうなぎ登りの状態。こうしたなか、今回のInterop Tokyo 2010でも、10GbEを超えるEthernetは大きなテーマだが、IP系だけではなく、FC系でも歩調を合わせて高速化を実現できるのは同社ならではといえるだろう。
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