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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第1回

知ったかできるパーツ基礎知識【CPU、マザー、メモリ編】

2010年04月19日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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 PCパーツは日進月歩、今も絶え間なく新製品が登場している。アキバやWebで毎日のようにPCパーツを追いかけている我々も、うっかりすると新製品を見逃す、なんてことも稀に起こるほど、その数は多い。また新製品の登場の影響による価格の乱高下により、店頭から消えたり、はたまた突然製造中止になってしまい手に入らないといったことも日常茶飯事だったりする。そのため、3ヵ月前のPC雑誌を片手にアキバを歩くと、欲しいものが手に入らず、見た事もないパーツがずらりと並んでいることも普通に起こったりするのだ。
 筆者の知人にも「自作PCを使っているけど、ここ最近のPC事情が分からなくてさぁ」などとたまに購入相談を受けたりするのだが「○○というパーツを買おうと思うんだけど…」と聞かれ、すでに販売が終わっていた、あるいは過去の規格のため、現在では入手困難ということはよく起こる(そんな時は中古パーツを探すことになる)。

PCの基幹パーツとなるCPU/メモリ/マザーボード

 本特集は、全5回にわたって2009年~2010年4月までの自作パーツのトレンドを振り返りつつ、最新のパーツの事情を解説していく。秋葉原のショップに今すぐパーツを買いに行っても困らない知識を身につけるためだ。第1回は「CPU/メモリ/マザーボード編」である。

最新CPU事情

 やはりPCパーツに大きな変化を与えるのが、CPUだ。CPUソケットが変われば当然、マザーボードも変わる。マザーボードが変わるとメモリも変わり、CPUクーラーも変わりとドミノ倒しのように変化が起こり、半年もするとプラットフォームが一新されていることも珍しくない。
 そんなCPU事情だが、2009年、メインストリームにクアッドコア(Quad Core)が降りてきた。2010年はさらにコア数が増え、ヘキサコアがハイエンドとして登場し話題となったのは記憶に新しいが、さらにサーバー向けではあるものの12コアの製品がニュースになるなど、CPUは今、大きな転換期を迎えている。もはやデュアルコアのCPUはローエンドとなり、ノートブックPCにおいても、当然のようにデュアルコアCPUを搭載する時代となった。そんな大きな転換期を迎えた2010年春における、CPUとマザーボード事情をまとめてみよう。

コア数が劇的に増加
6コア、8コア、12コアが登場

 現在、CPUは大きくわけて4つに分類することができるが、基本的に「Core」(コア)の数に応じて、おおよそのカテゴリに分けることができる。上位から書き出すと、サーバー向け、ハイエンド、ミドルレンジ、エントリー(ローエンド)という分け方だ。そして、ミドルレンジ以上は、基本的にクアッドコアかそれ以上、エントリーレベルでもクアッドコア製品が登場するなど、昨年よりもCPUのコア数は確実に増加している。

開発コードネーム“Gulftown”こと「Core i7-980X Extreme Edition」。6コア、12スレッドというハイエンドなCPUだが、値段は10万5000円前後と、こちらもハイエンド

 ここで言う「Core」とは物理的にCPUを形成するトランジスタ群を指し、それが1つのCPUパッケージ上に幾つ封入されているかで呼び名が変わる。2つならデュアルコア、3つならトリプルコア、4つならクアッドコアとなる。この場合、封入される形態は問わず、同じダイ上に複数のコアがあっても、または複数のダイをCPUパッケージ内に収めていても、結果的に4つのコアがあれば、クアッドコアと呼ぶわけだ。
 さて、昨年はクアッドコアがハイエンドだったが、今年Intelから登場した「Core i7-980X Extreme Edition」など、ついに6つ以上のコアを有するCPUが登場している。ちなみに6コアは「Hexa Core」(ヘキサコア)、8コアは「Octa Core」(オクタコア)となり、12コアでは「Dodeca Core」(ドデカコア)となるが、6コア以上については、言葉の馴染みが薄くなっていくためか、そのまま6コア、8コア、12コアと呼称することが多いようだ。

最大12個のCPUコアを内蔵するCPU「Opteron 6100」シリーズ。12コアと8コアの製品があり、もっとも安価な8コアの「Opteron 6128」なら3万円程度なので、個人ユーザーでも手は届く。とはいえ、対応するCPUソケットはSocket G34となるため、専用のマザーボードが必要だ

 このコア数と混同されがちなのがIntelの「Hyper-Threading」の存在。Hyper-Threadingは、1つのコアで論理CPUを2つにする技術のため、OS上からは実際の倍のコア数が見えることになる。そのため、クアッドコアでは8CPUに見えていたが、6コアでは12CPUに見える。もっとも、それで処理能力が上がるかどうかはアプリケーションに依存する部分が多く、通常はHyper-Threadingの有無を重要視する必要はあまりなかったりする。ゲームなどではHyper-Threadingを無効にした方が、速くなることが多いため、動画エンコードや3DCGのレンダリングでもしない限り、あまり重要視する必要は無いだろう。とはいえ、一定の価格以上のIntel製CPUは必要の有無にかかわらず、Hyper-Threadingを搭載している場合がほとんである。
 コア数が増えたことにより、シングルコアのCPUは久しく新製品として登場していない。よって今では最低でもデュアルコアを選択することになり、1万円も出せばエントリーレベルのクアッドコアCPUも購入できる時代となったのである。

Opteron同様に、最大8コアとなった「Xeon 7500」シリーズのダイ写真。Hyper-ThreadingによりOSからは16CPUとして認識される。ただし8コア/16スレッドで一番安価なX7550でも価格は24万8000円。桁違いのため個人レベルで使用するのは難しいかもしれない

(次ページへ続く)

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