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追記ができるPDF活用ツール

PDF編集を身近にする「書けまっせ!!PDF4」

2010年04月21日 09時00分更新

文● 三浦優子

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社内文書に必須のハンコを押す機能も

 今回、挑戦した申請書には、印鑑を押す箇所があった。「書けまっせ!!PDF4」には印鑑を作成し、それをプリントする機能がある。今回利用したような、外部に提出する申請書にお手製印鑑を使うのは問題があるが、社内の申請書であれば十分に利用可能だ。ペーパーレスを実現するために、電子申請書を導入する企業が増えているが、そうした企業で「書けまっせ!!PDF4」を利用すれば、手書き以上に入力効率があがるだろう。

実際に申請書提出の際には使えないが、印鑑を押す部分があるので、印影作成機能を使って自分の印影を作ってみる

印影は、日付印、認め印、画像を取り込んで作成する3タイプがあるが、今回は簡単に認め印を作成してみる。サンプルがあるので、それを線の太さ、幅、長さなどを自分好みに調整

テキスト部分に自分の名前を入力すれば自分専用印影が誕生

 印影に関しては、画像をつかうことも可能。会社の角印のようなものも再現できるほか、仕上がりもリアルで、本当にハンコを押したような出来栄えだ。

捺印しなければならない場所に、自分の印影を置けばよい。スペースに合わせてその場で大きさを変更させることもできる

 「はい」か、「いいえ」を選択するチェックボックスにつけるチェックも「チェックマーク」を配置することで可能だが、タブレットのペン機能を使ってチェックを入力したり、必要な箇所に丸印をつけることもできる。かなり幅広い申請書や帳票で利用できるのではないか。

後半はテキストではなく、用意された答えをチェックする仕様となっている。チェックマーク機能はスタンプ感覚でチェックマークを押せる機能。スペースに合わせて大きさを変えることもできる。タブレットを利用しているのなら、ペンでチェックマークを入力しても大丈夫

 なお、今回の書類ようにフォントで□を実現している場合は対応しないが、罫線で枠が設定されている場合は、レ点や○が枠に収まる最適なサイズで自動選択されるという。


帳票作成にもコミュニケーションを

 以前、取材した電設機材の販売会社では、インターネット経由での注文を受け付けているものの、「現在でもファクスが欠かせない」という。理由は明確で、大きなビルに導入する電設機材はカスタムメイドのものが多く、型番もなく、絵を描いて特徴を明記したり、納品書や見積書にメモを入れることが多いためだそうだ。

上部は会社名などがフォーマット通りに入力されているが、下の部分は白紙になっている帳票をあえて作成

 このように、「手書きでメモや図を書き入れることが日常的」という企業は案外多いという。そこで、上部はフォーマットされているが、下半分はあえて白紙にした見積書を作成してみた。

 「書けまっせ!!PDF4」は、自由な位置に文字や直線、チェックマーク、円、折れ線、曲線、画像などを配置できる。しかも、よく使う文章や、画像、印影などを登録して簡単に再利用できるので、以前利用した画像、図などを登録しておいて再利用することができる。

合計金額や必要な表は、Excelをそのまま利用する

 帳票につきものの表や計算機能についても、Excelなどから差し込み枠にデータ取り込むことが可能で、さらにテキストボックスに計算式を設定し、他のテキストボックスの値を参照したり、関数などを使って計算結果を表示することができる。

 かなり効率的に、白紙から自分が必要な項目を掲載したオリジナル見積書が作成できるのではないかと考えたのだ。

画像機能を利用し画像データを貼附。文字では伝わらないニュアンスを伝える際には写真や図形機能を使ったグラフィック、タブレットによる手書きでの図などを取り入れる。それを意識して白紙部分を作成してみた

 実際に作業を行ってみた。まず、写真を取り込んで貼り付ける。ワープロと同じ感覚で作業できるので、文字ではどうしても伝わりにくい場合には、積極的に取り入れるべきだと感じた。

挿入から差し込みフィールド(表)を選択すると、表を貼り付けることができる

Excelで作成した表をそのまま貼り付けることができる。「表示形式」を指定したり、差し込みの数値データを使って別のテキストボックスに計算結果を表示するといった様々な応用も可能とのこと

 表についてはExcelの表を貼り付けた。最初はなかなか思うような表が貼り付けられなかったものの、何回かトライするうちに成功。計算機能はExcelをはじめとした表計算ソフトの得意分野だが、その強みを利用しながらPDFを作成できる。

手書きによるコメントを入れ込むことも可能

 さらにタブレットを利用して手書きメッセージも書き添える。アンダーラインや強調した部分に丸印をつければ、かなりインパクトある見積書になる。

 帳票類に限らず、これまでデジタル化が難しいと思われていた書類を「書けまっせ!!PDF4」を利用してデジタル化することで、作業効率アップやこれまでとは違う見やすく、強くアピールする中身とすることができる。「どうしても手書きでなければ」と考えている企業にこそ使って欲しい機能だ。

PDFの固定概念を正す、書けまっせ!!PDF

 実際に、「書けまっせ!!PDF」を利用してみて、「PDFはこうした使い方しかできない」という固定概念を変える可能性を持っていると感じた。

 「これはできない」と思っていることにあえて挑戦すると、「逆に便利」と感じる部分や、「これまでとは発想の違うフォーマットの書類となった」という発見がある。

 特に「書けまっせ!!PDF4 プロフェッショナルPlus」はタブレットに対応している。

 メールよりも「手書きができるファクスが便利」と感じていた企業に利用を勧めたい。ファクスを利用する際の最大のウィークポイントは通信料だろう。利便性は失わず、通信料を節約したいと考える企業であれば、試す価値は十分にある。

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