ビジネスに不可欠なデータベース作成。それをより簡単に、一方で開発者向けには高度なカスタマイズ機能を提供しているソフト「FileMaker」。その新バージョンが登場。操作性のしやすさがウリだ。
ファイルメーカーは7日、データベースソフトの新製品「FileMaker Pro 11」を日本国内で発売した。ラインアップは4製品で、全製品に高品質なグラフが素早く作成できる「FileMaker グラフ&レポート」をはじめ、多くの新機能を盛り込み、操作がしやすくなっているのが特徴。
新機能のFileMaker グラフ&レポートでは、データベースを元に円グラフ/棒グラフ/面グラフ/線グラフを作成できる。そして、作成したグラフは週別や月別、地域別など好みの表示方法を選んで随時手軽に作り直すことが可能になっている。
そして、指定する関連レコードだけ自動的に表示させる「ポータルフィルタリング」。レイアウトをドラッグ&ドロップするだけで手軽にフォルダを管理できる「レイアウトフォルダ」機能なども新たに搭載した。
データベースの構築や
利用時に役立つツール類も追加!
その他、新機能については以下のとおり。
- クイック検索…革新的なiTunesのようなスタイルでレイアウト上の全フィールドを検索
- インスペクタ…レイアウト上のオブジェクトとプロパティを一箇所でまとめて編集できるツールパレット
- オブジェクトバッジ…レイアウトの中で、スクリプトが設定されたフィールドを色分けされたアイコンで視覚的に判別
- 請求書のStarter Solution… 30種類以上が付属しているStarter Solutionsに新しくもうひとつ「請求書」のソリューションが追加。製品と取引先の情報を追跡し、印刷に対応した請求書の作成や管理ができる
- クイックスタート画面の強化…新規データベースの作成、お気に入りのファイルの管理、便利なリソースへのアクセスをサポート
- テキストの強調表示…フィールドの中のキーワードや数字を見つけやすいよう目立たせる
なお、上記の機能に加えて開発ツールやカスタマイズツールを備えた「FileMaker Pro 11 Advanced」では、インターフェースを一新。そして「カスタム関数」をデータベースにコピーするなどの操作が可能になり、情報を再入力する必要がなくなった。スクリプトの問題個所を特定できる「スクリプトデバッガ」も強化。
新FileMaker Serverは安定性と共有機能を強化!
サーバー版の「FileMaker Server 11」では、FileMaker Pro クライアントに関するより詳細な使用状況の表示が可能になった。そして、「バックアップファイルのクローン」機能により、管理者は空のデータベースを保存できるようになった。これらの機能により、データベースの構造を事前に構築し、トラブルシューティングを行うことができ、ネットワーク上のデータベースの運用の安定性も向上する。
さらに、上位製品の「FileMaker Server 11 Advanced」では、データベースに同時接続できるユーザーが無制限(FileMaker Server 11では最大250)となり、管理グループの作成機能も追加された。ほかにも、「インスタントWeb公開」機能で簡単にデータベースをWeb上に公開し共有可能。ODBC/JDBCを介して、他のアプリケーションとのデータ共有もできるようになった。
価格は下の表の通り。アップグレード版であれば通常の40%オフの価格となる。
FileMaker 11の製品ラインアップ | ||
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製品名 | 価格 | アップグレード版価格 |
FileMaker Pro 11 | 3万8000円 | 2万2800円 |
FileMaker Pro 11 Advanced | 5万8000円 | 3万4800円 |
FileMaker Server 11 | 12万8000円 | 7万6800円 |
FileMaker Server 11 Advanced | 38万円 | 22万8000円 |
なお、アップグレードの対象は、FileMaker ProとFileMaker Serverともに9と10となる。ただし、今年9月17日までは、8と8.5も対象となる。製品はFileMaker Storeほか、Apple Store、またはソフトウェア販売店にて購入できる。