このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

待望のスクリプトトリガ搭載「FileMaker Pro 10」

2009年02月04日 20時00分更新

文● 茂田カツノリ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
FileMaker Pro 【SPEC】
開発/販売元●ファイルメーカー㈱ 価格●3万9900円(通常版)、1万9950円(アップグレード版)、6万900円(Advanced版)、3万6540円(Advancedアップグレード版)
http://www.filemaker.co.jp/

対応システム●Mac OS X 10.4.11以上 対応機種●PowerPC G4以上またはIntel CPUを搭載したMac

【COMMENT】 注目は、スクリプトトリガー機能の搭載。カスタムアプリケーション開発環境としてさらにパワーアップした。

インターフェースの刷新など、着実に進化した新バージョン

 データベースソフト「FileMaker Pro」は、熱狂的な愛好者が存在するデータベースソフトだ(Apple Storeで見る)。住所録や売上管理といったデータ処理を、自らカスタマイズしたインターフェースで効率的に処理できるツールで、自由度が高く、業務に特化した最適な画面設計や自動処理などを実現できる。つまり特定の用途に特化したソフトウェアを構築できる開発環境なのだ。

 ライバル製品であるWindows専用の「Microsoft Access」と同等の処理能力を持ちながら、FileMakerは習得が容易といった特徴を持つ。プログラミング言語の知識がなくてもオリジナルのソフトウェアが開発できるのだ。

 条件計算や自動処理などの設定もプログラムコードを自分で書く必要はなく、あらかじめ用意されている一覧から処理項目を選んで設定するだけと簡単だ。

インターフェース

これまで画面左にあった操作アイコンがウィンドウ上部のステータスツールバーに移動し、スペース効率が向上。Mac OS Xの設計に沿ったインターフェースで違和感なく操作できる

 最新バージョンは、誕生以来初めてユーザーインターフェースを一新して登場した。従来はメニューバーから実行していたような機能をステータスツールバーに表示して簡単にアクセスできるようにするなど、自分好みにカスタマイズも可能。また、レイアウトモードの各ボタンをメニューバーの下に表示するスタイルに変更された。

ステータスツールバー

「control」キー+クリックで表示されるコンテクストメニューからもステータスツールバーをカスタマイズ可能。使用頻度の高い項目をドラッグ&ドロップで簡単に登録できる

ステイタスツールバー

レイアウトモード時は、レイアウトツールがステータスツールバーに表示される。こちらもカスタマイズ可能だ

 住所録や作業管理、備品台帳といったすぐに使える実用的なテンプレート30種類を用意し、ユーザーの各種操作をきっかけにスクリプトを起動するスクリプトトリガや、SMTPサーバー経由のメール送信といった新機能も搭載。

 また、レコードの入力が確定した直後にソートが自動的に反映されるようになったり、よく使う検索項目を名前を付けて保存できるといった細かな機能追加もなされた。データ構造や画面の設計もグラフィックソフトのような直感的な操作で実現できるなど、使い勝手が向上している。

データをソートした状態で新規レコードを作成すると、選択中のレコードの直下に配置されるが、入力データを確定した時点ですぐにソートが反映され、データが移動する

検索条件の保存

検索条件に名前を付けて保存しておき、ワンクリックで呼び出したり、最近使った検索を再度実行したりできるので、繰り返し条件を入力する手間が省けるようになった

視覚的な操作で設定

データの処理構造の設定や、結果表示画面の設計を視覚的な操作によって構築可能。複雑に連携したデータベースの開発を容易に実現できる

 FileMakerは高度な処理が実現できるだけに、個人レベルの住所録管理だけに使うにはもったいないが、顧客リストから過去の商品購入履歴をチェックする、特定の宛先に自動生成したメールを送付する──といった複雑な処理を効率よく実行したいときには有効だ。

 データファイルの互換性はバージョン7以降保たれており、インターフェースの刷新や多くの機能追加により、操作性の向上や、実現可能な項目が増えている。前述のような用途であればぜひバージョンアップや新規導入を検討したい仕上がりだ。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中