「GXR」がコンパクトデジタルカメラとしては卓越した性能を持っているのがわかってきた今日この頃。
しかし、このスタイルからまず飛び込んでくる「スナップに向いてるデジカメ」という印象が、実際に使っているとあまり感じられない。なぜだろう?
「フルプレス スナップ」の使いどころ
あぁ、なるほど、と思ったのが、先日舞台の稽古場を撮影しに行ったときのこと。GXRも当然一緒に持ち込んで使用してみたが、普段使っているデジタル一眼レフとは雲泥の差のAFスピードとシャッターレリーズタイムラグ。
望遠は一眼レフで、引いた絵はGXRでと考えていたのだが、GXRがAF動作をしている間に役者はどんどん動いてしまう。ほとほと困り「これならいっそマニュアルフォーカスでピント位置を固定してしまったほうがよっぽどいい」と思った。が、次の瞬間、ある設定のことを思い出した。
それは「フルプレス スナップ」及び「スナップ時フォーカス距離」の設定だ。おそらくリコーユーザーであれば以前から当然のことなのかもしれないが、筆者的にはこの設定が何を指すのかはわかっても、ソレがどう役に立つのかまでは頭に浮かんでは来なかった。
フルプレススナップは、シャッターボタンを全部押し込むことでAF動作をスキップし、即座にレリーズする機能。その際のフォーカス距離をスナップ時フォーカス距離として事前に設定しておける。
「ああそうか、スナップするのにいちいちピント合わせてるよりも、ピントは固定して絞り込んでしまえば被写界深度に任せられるから、あとはフレームだけ決めてシャッター押しちゃえばいいんだ」ということである。
レンジファインダーカメラというか、それこそバルナック型ライカあたりの、ピント合わせとフレーミングが別体になったようなカメラを使っていた人たちのスナップの技法を使うための設定だった。
もともとセンサーサイズも小さく広角の画角をもっている「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」(以下S10)であれば十分に役に立ちそうだ。
この連載の記事
-
最終回
デジカメ
今後に期待と不安と……GXRと過ごした3ヵ月 -
第11回
デジカメ
手ブレ補正が欲しい!GXRの動画撮影 -
第10回
デジカメ
これまでに気になった点を「GXR」開発陣に直撃! -
第9回
デジカメ
「GXR」シーンモードを試す!スポーツ/夜景/ポートレート編 -
第8回
デジカメ
「GXR」のシーンモードを試す!「ズームマクロ」「遠景」編 -
第7回
デジカメ
「GXR」でコンバージョンレンズを使ってみた! -
第6回
デジカメ
「GXR」で180秒露光に挑戦! -
第4回
デジカメ
やっぱり必要!? レンズユニット「A12」を徹底検証! -
第3回
デジカメ
「GXR」と「GRDIII」「GX200」の画質に違いはあるのか!? -
第2回
デジカメ
GXRのマクロレンズユニット「A12」は必要か? - この連載の一覧へ