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Twitterマーケティングの難しさ――UCCがお詫び騒動

2010年02月08日 10時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 最近はテレビに登場する機会も多いTwitter。APIが公開され、公式/サードパーティーを含めてさまざまなツールが提供されているため、手軽な口コミマーケティングツールとしても脚光を浴びている。しかし、その使い方を間違えると悪い評判が広まるのも早いという諸刃の剣でもある。

Twitter騒動についてのお詫び

UCCの「Twitter騒動についてのお詫び」ページ

 2月5日、UCC(上島珈琲)は、コーヒーをテーマにしたエッセイ・アート作品を募集する「第11回 UCC“Good Coffee Smile”キャンペーン(コーヒーストーリー大賞・コーヒーアート大賞)」を、Twitterで告知する施策を開始した。

 Twitterでは、企業広報担当者などが公式、または非公式としながらも社名や店名、製品名を名乗って、宣伝や問い合わせへの簡易サポートを行なうケースも多く見られる。そうしたアカウントがキャンペーンの告知を行なうケースもある。フォロワー(そのアカウントの発言を見ている人)が内容に興味・関心を示せば、RT(返信機能)によって短時間に多くのユーザーに広まる可能性があるからだ。

 ところが、UCCではこのキャンペーン告知を、

  • 「コーヒー」「懸賞」などのキーワードが入ったTweet(発言)を自動検索し、発言者に向けたメッセージを書くbot機能(自動応答プログラム)を使った
  • 複数のbotが並列動作していたことで、同一文面(宛先も同じ)を短時間に複数送り続けた

という形で実施してしまった。そのため、メッセージを見たユーザーが、「UCCを名乗る、悪意のあるbotプログラムか?」「UCCが自社で行なった行為であっても、大量に同じ文面を送るとは何事?」とTwitter上で盛り上がる(バズる)結果になった。

 この件では幸いにも、UCCの担当者が事態に早めに気づいて即時botプログラムを停止し、お詫びのページを公開したため、Twitter上での騒動もすぐ沈静化した。同社の説明によれば、2月5日午前10時にキャンペーン告知を開始し、同日正午に運用を停止したという。Twitter上では、この対応の早さを評価する声もあった。

 Twitterは口コミで短時間に広まる反面、悪評が立つとそれも一気に広まってしまう危険がある。今回の件は、マーケティングツールとしてTwitterを使う際の教訓となるだろう。


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