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パラリンピックのクロスカントリースキー日本代表チームを応援する

現役女子大生が取り組む寄付の新しい形とは?

2010年02月05日 16時00分更新

文● 松本淳

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ネットで変わる「支援」の形

 荒井氏、またチアスパに登録しているユーザーの一人一人のプロフィールをみても感じるように、個人が自分の才能を活かして活動し、対価を得る時代が到来しつつある。終身雇用・年功序列といった仕組みはすでに過去のものとなり、フリーランスだけでなく、組織に所属していても、個人がどんな価値を提供できるのかがますます問われる時代になった。そういった個人の価値を高めるには、その過程の中でその人を支えるネットワークやインフラが必要になってきている。「チアスパ!」はその先駆けとなる一つの事例とも言えそうだ。

iTunes上での募金活動

iTunes上で展開中の米国赤十字社を通じたハイチ地震被災者への募金活動。ネット上でのソリューションで、日本でも新しい形の寄付・募金活動が展開できるはずだ

 チアスパが朝日新聞で取り上げられた際は、多くの支援や反響が寄せられたという。寄付したい側はネットのコアユーザーである若年層というよりも、新聞購読層、つまりたとえばすでに定年を迎えているような、ある程度生活に余裕がある層でもある。これまで支援したくてもその相手を見つける手段がなかったそういった層に対してもマッチングの場を提供している訳だ。

 Twitterのような新しいコミュニケーション手段が生まれ、働き方・生き方も変化する中、多様な支援の形を提供するチアスパのようなプラットフォームが成功するかどうかは、高齢化や格差などのアンバランスがもたらす問題に、ネットサービスがソリューションを提供できるかどうか、という命題にもつながっていくだろう。


著者紹介――松本淳

 ネットベンチャー、出版社、広告代理店などを経て、現在は東京大学大学院情報学環修士課程に在籍。ネットコミュニティやデジタルコンテンツのビジネス展開を研究しながら、IT方面の取材・コラム執筆、映像コンテンツのプロデュース活動を行なっている。デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。著書に「できるポケット+Gmail」など。公式サイト 松本淳PM事務所[ampm]


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