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パラリンピックのクロスカントリースキー日本代表チームを応援する

現役女子大生が取り組む寄付の新しい形とは?

2010年02月05日 16時00分更新

文● 松本淳

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「寄付」文化の普及と多様な支援の形を作っていきたい!

――実際、どの位の支援が集まっているのでしょうか?

米良 昨年の7月にオープンしたチアスパですが、知名度の向上も含めて、まだまだ頑張らないといけない部分があります。現在展開している「障害者クロスカントリースキー日本代表チームを応援しよう」については、約14万円(取材時点)という状況です。

――さらに支援の高まりが必要ですね。日本では寄付すること、特にネットを通じてというのはまだ一般的にはなっていないのかもしれませんね。

米良 ハイチの震災にiTunesで募金ができることがTwitter上で話題になりましたし、「誰かを支援する」ことに対して、日本人が無関心であるとは思いません。年賀状やお歳暮・お中元など元々誰かに何かを贈るということにも、むしろ熱心なはずです。ただ、いざ「寄付」となると、自発的にそれを求めたり、あるいはそれに応えたりすることには、まだ不慣れなのかもしれませんね……。

――チアスパとして、そこに風穴を開けるような取り組みはされていますか?

米良 チアスパは個人から個人への寄付という新しいチャリティの仕組みで、「才能を持つすべての人たちがその芽を開花させるためのプラットフォーム」ということができると思います。チアスパに集まるすべての人たちが自分の才能を信じ、「今はあなた、次はわたし」というように互いに応援や支援をしながら、世に出て行くのです。英語版サイトをリリースすることはそんなチアスパの大きな野望の第一歩だと思っています。そこには国籍とかは関係なく、その思想に共感してくださる世界中の人方々から応援を募りたいのです。

――チアスパ自体のビジネスモデルはどのような形を取っているのでしょうか?

米良 今のところ「一か八か」です(笑)。寄付額の15%は手数料としてもらっているのですが、これは従来の寄付と比べて、とてもクリアなシステムです。個人から個人への寄付ということなので、自分が届けたい相手に必ずいくら届くということが証明されているわけですから。

 ただ今の状態では企業として採算にあいません。でも私は「人が人を応援する」という人間の根源にある気持ちがウェブというバリアフリーな世界の中で新しいムーブメントを起こせると思うし、それにチアスパが大きな力を持つのではないかと信じています。

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 ここで若干解説を加えると、個人による寄付が盛んなアメリカでは年間300ドルまでは自己申告で控除の対象になるなど、税制面でも優遇措置があるという。一方で日本では、指定された「団体」への寄付だけがその対象になっていて、気軽に、また支援したい「人」に直接寄付する仕組みがまだ十分に整備されているとは言えない。


――SPYSEEが示している「人と人」というコンセプトが活かされている訳ですね。

米良 はい。それによって、たとえばこれまで、商業ベースに乗ることが難しかった伝統芸能に関わる人や、新人アーティストなど、既存のメディアでは紹介されることが少ないけれども、共感して支援したい人を見つけてもらい、多様な支援の形を提供できるはずなんです。

 私たちの普段の生活を振り返っても、一言励まされたりすると元気が沸いてきますよね。励ました側も、相手が喜んだり、成長するのを見て毎日がちょっと楽しくなったりする。そして、応援する人と応援される人の輪がどんどん広がっていく。チアスパでそんな未来を作っていきたいと思っています!

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