この冬のモバイルノートで最も大きな話題といえば、やはりCULVだろう。CULVはインテルが提供している、コンシューマー向け超低電圧版CPUのこと。「Consumer Ultra Low Voltage」を略してCULVだ。
超低電圧版(ULV)のCPU自体は以前から販売されてきた。しかしながら「高性能で低消費電力だが、値も張る」というイメージが強かったと思う。これまでのULVプロセッサー搭載ノートは「プレミアム・モバイル」などと称される高付加価値モデルが中心で、誰もが簡単に手にできるものではなかった。
しかし、個人が手軽に購入できる価格帯でも、薄型でスタイリッシュなノートパソコンを使いたいという需要があるのは確実。CULVノートは、こうしたニーズをくみ取った製品である。CULVは、ULVと性能は同等だが、価格を大きく抑えた戦略的なCPUとなる。
事実、CULVが登場したことで「ウルトラ・スリム」などと呼ばれる、薄型ノートの市場が活性化している。これらの機種の売りは、妥協しない性能と、携帯性や操作性などにも配慮した、トータルバランスの高さだ。CULVの登場により、ネットブックと従来型モバイルノートの間を埋める、新たな選択肢が生まれた。
このように魅力的な特徴を持つCULVノートは、海外メーカーを中心に様々な製品が登場している。
中でも積極的に取り組んでいるメーカーの筆頭に挙げられるのがASUSだ。Eee PCシリーズでミニノートの潜在需要を掘り起こしたことが記憶に新しいASUSだが、CULV機を含む、モバイルノートの開発にも非常に意欲的である。豊富なラインアップを用意し、どれもがデザインを含めた高い完成度を持っている。
ここではそんなASUSのラインアップから、CULVを搭載した1スピンドル機「ASUS UL20A」を取り上げる。「薄型で高性能、しかもお財布にも優しい」というCULV機の特徴を存分に盛り込んだ、この冬注目のモバイルノートである。
