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【所長コラム】「0(ゼロ)グラム」へようこそ

テレビも映画も網膜も、ただの「画面」になる

2009年12月07日 06時00分更新

文● 遠藤諭/アスキー総合研究所

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大ヒット「サン牧」の源流は2007年のFacebookに

 ソーシャル・アプリケーションは、2007年にFacebookがそのプラットフォーム化を宣言したことで始まった。当時、感度の高い複数のユーザーから、「Friend For Saleやらないの?」と同時に言われたのを覚えている。それは、ユーザーを売り買いしてペットにできるというゲームで、ペットをほかの人のペットと遊ばせたりもできるものだった。しかし、現在の異常とも思える盛り上がりは、今年に入ってからのものである。

 日本では2009年8月に、ミクシィが「ミクシィ・アプリ」の環境を提供開始。ゲームに関しては、当初は「グラディウス」や「テトリス」などが提供されたが、農場ゲーム「サンシャイン牧場」が、またたく間に300万人のユーザーを獲得して注目されている(現在も伸び続けている)。

Farm Ville

Facebookアプリの『Farm Ville』というゲームは、6500万人のユーザーがプレイしている。全世界のSNS人口は5億人程度であり、全ネット人口17億人の30%はSNSユーザーという計算になる。この膨大な潜在的ユーザーを背景に、粘っこい友だち誘導の仕組みで伸びているのが、ソーシャル・ゲームである

 iPhoneゲームやソーシャル・ゲームではたして儲かるのか? という議論については、たしかに注意が必要だろう。しかし、ゲームをプレイする画面が、ゲームコンソールやポータブルゲーム機から飛び出しつつあるというのは事実なのだ。実際、ソーシャル・ゲームにおいては、それを楽しむための画面がPCである必要はまったくない。サンシャイン牧場を提供している中国企業Rekoo(リクー)によると、17のプラットフォームで同ゲームを提供中だそうだ。

 ゲームはひとつの例に過ぎない。クラウドが顕在化してきたことで、テレビでもパソコンでもなんでも、いつでも同じようなものを表示できるようになる可能性がある。あらゆるデバイスは、ただの「画面」になるということだ。そのときに、最も重要になる技術が、ブラウザーだといえる。これを最も意識しているのが「Chrome」であり、「Chrome OS」なのではないかと思う。

 さて、「Chrome」の1周年パーティで話したかったことのもうひとつは、次回。


モバイルやSNSのプラットフォームといえば、今年第2回となる「i*deal Competition 2010」の募集が開始されている。SNSやいまの環境を活かしたソフトが集まると楽しい。


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