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Windows 7入門機としても最適

LOOX C開発秘話を聞く──CULVの魅力を凝縮した1台 (4/4)

2009年12月03日 10時00分更新

文● ASCII.jp、聞き手●遠藤 諭、写真●小林 伸

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Windows 7を体験する最初の1台としてもいい

遠藤 CULVの優位性に関しては理解できたんですが、製品としてみた場合、何がアドバンテージになるのでしょうか。CULVマシンは、仕様的に横並びの面がありますが、選ぶときにここを見てくれという部分をアピールしていただければ。

土井 (少し考えて)ひとつはキーボードですね。19mmとピッチが広くて使いやすい点は富士通としてのこだわりです。

遠藤 ちなみにCPUはどこに入ってるんですか? 最近パームレストが熱くなるマシンが全く使えない体になってきているんですよ。LOOX Cはパームレストの下にはないようなので安心ですが。

土井 (キーボードの右半分を指差しながら)場所的にはこのあたりでしょうか。ファンはここです。ヒートパイプを使って左側の側面に排気してます。

キーボードはこだわりどころのひとつ。ECOモードへの切り替えもショートカットが用意されている

遠藤 おお、いいですね。それだけでいきなり株が上がった(笑)。僕らみたいに1日触ってる人間にとっては、ここが低温やけどになっちゃうんですよ。いや、近年そういうマシンが増えてきてたでしょう。ネットブックで金属筺体の製品なんかで特にひどかった。

土井 そのあたりはこだわっています。ファンの音もあまり回るとうるさいので、なるべく回さないで済むように工夫しています。

遠藤 このクラスでヒートパイプを入れている機種は少ないんじゃないかな。金属の板で引っ張ってるだけとかも、多いのではないかと。あと、富士通としては、裏面もきれい。また失礼なこと言ってるんだけど、僕はそういうのうるさいんですよ。ゴム足とかにもこだわるんですよ。そういう意味でも、ポイントは高いですね。

CPUの位置や廃熱について説明する土井氏

遠藤 逆にこの点には苦労したとか。

土井 稼働時間ですね。当初の狙いでは、もう少し長時間使えるようにしたかったのです。

── 稼働時間を伸ばすためにどのような工夫をされるのですか?

土井 まずは回路ですね。電源回路そのものをいかに効率よく使うか。あとは、CPUやチップセットが持っている、省電力機能をいかにうまく使いこなすか。これはBIOSの設定にもある程度依存してくる部分です。グラフィックスのクロック周波数を低クロックモードにしてバッテリー消費を抑えるといったアプローチもあります。

── 今回の6.2時間っていうのはどういう条件で測定されたものでしょうか? 最悪の状態ということは、パフォーマンスを優先したモードでということですか?

土井 基本的にBIOSレベルではデバイスごとの消費電力をなるべく抑える方向の設定にし、OS上でユーザーが設定できる部分では最もパフォーマンスが出る(≒消費電力が高くなる)状態にするようにしています。

遠藤 Windows 7が出ましたが、Windows文化の集大成みたいなところがあるじゃないですか。業界にはいろいろな動きがあるけど、別にそれがすぐになくなるわけでもないし、いまあるものをしっかりやろうという商品です。まあそういう意味では、CULVもある種Windows 7的なマシンのような印象があります。すごくコンベンショナルで、使いやすく、価格も手ごろ。

土井 開発としてもWindows 7のリリースに合わせた面はありますね。

遠藤 (Windows 7を最初に体験するパソコンとして)実はいいかも。価格も安いし、ここから入ったらどうかとお勧めできる。

── パソコンそのものに興味があるよりは、パソコンを使ってなにかしたい人が一番初めに手にするマシンとしていいってことでしょうか?。例えば、動画共有サービスも一般的になってきてますけどライトな動画編集をするぐらいなら十分な性能ですしね。

遠藤 こういう製品は、デジイチで写真を撮りまくってる人にもいいような気がするんですよね。デジイチオヤジみたいな。

取材後記・モバイルの伝統は着実に受け継がれている

 ノートパソコンを肌身はなさず持ち歩いている私だが、いちばん長く使ってきたのは富士通製のノートだと思う。しかし、その本拠地ともいえる川崎の事業所にでかけたのは、自分でも意外だが今回が初めてである。

LOOX CはWindows 7入門機としても最適な1台だ

 富士通は、モバイルに注力してきたメーカーだ。1991年に、オアシスポケットという日本語ワープロを世に送り出した(この背景にはPoqet PCという世界的にも注目された技術があったのだが)。ノートパソコンで20万円を切る、A4サイズの16bit機の最初は、FM16πである。

 ウィンドウズ以降では「FMV-BIBLO MC2/40」が名機で、その後のLOOX SやTシリーズに受け継がれていく。ピュアモバイルで、確実に仕事に使えるという印象があるのだ。

 そんな富士通だが、ネットブックの波には、やはり影響を受けた。これは、特に20歳代が携帯しか使わないためにパソコンの普及率が世界で23位(国連の統計による)という現状には、グッドニュースと見るべきだろう。パソコンの普及率が低いために、日本の産業・文化の競争力が低下しかねないからだ。

 そこで、ネットブックと上位にある従来のノートパソコンの間を埋める製品としてCULVは出てきた。お聞きした内容のとおりだが、実のところ、これはエントリーのお勧め機種となる。

 つまり、どのメーカーにとっても非常に重要なマシンになるはずなのである。そして、どこまでも教科書どおりでシンプルかつ標準的であるべきなのだ。今後、モバイルの世界はどんどん変わっていくことになると思う。

 3年後には、もっとイージーな家電的なタブレットやノートを、われわれは使っているかもしれない。しかし、そんな時代にもスタンダードなパソコンは、やはり必要なのではないかと思う。文字にしてどこまで伝わるかどうか、ライトで入門的で求めやすいLOOX Cだが、真面目に作られたマシンであることがインタビューで感じられた。

(遠藤 諭/アスキー総研所長)

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