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新世代ストレージ戦国時代 第5回

メタボなストレージをダイエットし、キープまで

3PAR、4つのシン製品で容量節約を実現!

2009年11月20日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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11月19日、3PARはストレージの利用を効率化するシンプロビジョニングを拡張した新ソフトウェアを発表した。圧縮や重複排除とは異なるストレージのスリム化技術で、導入・運用のコストを大幅に削減する。

ストレージ活用に「Thin」の旗印を掲げる3PAR

 3PAR(スリーパー)は、物理容量以上のボリュームを仮想的に割り当てる「シンプロビジョニング」をいち早く導入したストレージベンダーとして知られる。シンプロビジョニング技術は、3PAR独自の「InServストレージ・サーバー」と呼ばれるディスクアレイ装置に導入されており、空き容量を効率的に利用することが可能になっている。

シンプロビジョニングについて語る3PAR ワールドワイド・マーケティング担当副社長のクレッグ・ヌネス氏

 今回は既存のシンプロビジョニングを拡張し、「Start Thin(スリム化への取り組み)」「Get Thin(スリム化実現」「Stay Thin(スリム化を維持)」「Demand Thin(スリム化を追求)」という4つのスリム化戦略を掲げた。つまり、ダイエットを成功させたあとは、リバウンドまで防ぐわけだ。これらは仮想化環境で最適なマッピングを行なうThinエンジンと、第3世代のASICを搭載する搭載する最新のInServストレージ・サーバーと一部の既存のプラットフォームで実現される。

 具体的には従来のシンプロビジョニングに加え、ゼロとして書き込まれた未使用ブロックの自動検出・再割り当てを行なうことで、より大きなスリム化効果を実現する。新発表された以下の4つのソフトウェアにより、実現される。

3PARのInServストレージ・サーバー

3PAR Thin Conversion
おもに「Get Thin」を実現するソフトウェアで、既存のストレージアレイからInServストレージへのマイグレーションを行なう際に、スペースの無駄を省く。最新の第3世代のInServストレージ・サーバー(Tクラス/Fクラス)に搭載されているASICが、リアルタイムに空きブロックを検知するため、コピー中でもCPUに負荷をかけずに高速な転送が行なえる。
3PAR Thin Persistence
おもに「Stay Thin」を実現するソフトウェアで、スリム化されたThinボリューム内で削除データの容量を除去し、再利用する。書き込み時だけではなく、オンラインでの再スリム化を実現する。さらに節約容量をさらに平均10%向上する。パッケージライセンスとして提供。
3PAR Thin Reclamaiton for Veritas Storage Foundation
シマンテックのストレージ管理ツール「Veritas Storage Foundation」向けのスリム化ツール。共同開発したAPIを介して、Veritas Storage Foundationで採用されているVxFSのファイルシステムを採用するホストと連携。VxFSサーバー上で削除されたデータの容量を、InServストレージに戻すことが可能になる。Veritas Storage Foundation v5以降に対応。ASICは使わないため、すべてのInServストレージ・サーバーで使えるとのこと。パッケージライセンスとして提供。
3PAR Thin Copy Reclamaiton
Thin Reclamaiton for Veritas Storage Foundationと同等の処理をスナップショットに対して行なう。スナップショット同士を比較することで検出された、削除されたブロックを再利用する。InServのOSの追加機能として実装される。

3PARのThinアーキテクチャとThinエンジン

 こうしたシンプロジョニングにより、データ容量をとことんまで節約。設備投資を最大60%、運営コストを最大75%まで削減できるとしている。

 ワールドワイド・マーケティング担当副社長のクレッグ・ヌネス氏は「3PARは、他のどのベンダーよりもシンプロビジョニングが得意で、上手だ。データセンターでは、この技術はどこでも必要になる」と語っている。

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