岡林ディレクターインタビュー
今回のキャンペーン「Singing in The Car Audition」を取り仕切るクリエイティブディレクターの岡林和也氏に、キャンペーンのこと、nav-uのことなどいろいろ聞いた。岡林氏はこれまでもBMWやSEGAなど、様々なメーカーの広告を手がけており、「日経広告賞」や「ニューヨークフェスティバル・ファイナリスト」など輝かしい経歴を持つベテラン中のベテランである。そんな岡林氏に、nav-uはどう映ったのだろうか?
──まず、今回のキャンペーンのコンセプトを教えてください。
岡林和也氏(以下、敬称略) カーナビがあることで訪れる、生活の変化。大げさな変化ではなく、ちょっとした日々の発見です。以前のカーナビは非常に高価なモノでした。しかし、PNDという新しいジャンルができて価格も下がり、誰もが手にしやすくなってきている。多くの方は、目的地まで迷わず辿り着けるというカーナビのもともとの特性を理由に購入されると思うのですが、それだけではないパーセプションチェンジ(認識の変化)。カーナビを持つことで広がる楽しい世界を表現できればと考えました。
──では、キャンペーンのターゲット層となる年代はどのくらいでしょう?
岡林 商品のターゲットとしては30代なんですけど、「クルマの中で歌を唄う」という行為は、ドライブをしたことがある人なら、年齢に関係なく共通体験としてあると思います。今回のキャンペーン「Singing in The Car Audition」に応募してくれた人の年齢層の幅広さを見ても、それがわかると思います。
──岡林さん自身はカーナビを使いますか?
岡林 10年以上つきあっている相棒のような車があるのですが、カーナビは使っていないですね(笑)。私が車を購入した頃は、先ほども言った通りまだカーナビは高価で憧れの存在でした。「クルマの中にカーナビがあるとカッコイイ」という、どちらかというと男性っぽい価値観の商品でした。自分の部屋の中にオーディオが欲しくなる気分に近いと思います。しかし今はこの“nav-u”のような、誰でも操作ができるPNDのおかげで、女性にも広まっていますよね。意識調査でも“nav-u”は、自分でカンタンに取り付けられる点が、女性に人気の理由です。
──キャンペーンを制作するにあたって、“nav-u”に触られたと思いますが、操作性などはいかがでしたか?
岡林 もう僕が知っているカーナビじゃないですね(笑)。直感的に操作ができて、行きたいところにできるだけストレスなく誘導してくれる、地図をめくるよりも早くルートを検索してくれるなんて、かなり進化してますよ。人に優しくなりましたよね。この商品を担当して、カーナビのイメージが一新しました。しかも、吸盤でとりつけるという発想が、ソニーならではの斬新さがあって、素直に欲しいという気にさせられましたね。
──最後にキャンペーンの見どころなどお願いします。
岡林 YouTubeで「Singing car」などのキーワードで検索すると、5万件くらいヒットして、クルマの中で唄っているムービーがアップされてるんです。車内で歌を唄うのは自己表現としてはこれまでもありましたけど、ウェブ上ではこれがひとつの表現カテゴリーとして広まっています。オーディションに参加してくれた皆さんを見ていても、本当に楽しそうで、「車+おでかけ+歌」という組み合わせは普遍的なんだと改めて思いました。CMだけでなくサイト上にも、参加してくれた皆さんの映像が上がっていますので是非見ていただきたいですね。追加のオーディションも行なっています。その上で、クルマは単なる移動手段ではなく、「楽しく出かけるための手段」でもあるということを、あらためて見直してもらえるキッカケになればいいですね。
──ありがとうございました。
黒歴史!? オーディション動画を公開!
あまりのヒドさに公開しようかどうか迷ったが、これもASCII.jp編集部にいるゆえの試練。黒歴史の殿堂入り間違いナシの熱唱シーンをとくとご笑覧あれ! 最後の方でワンフレーズ歌い忘れているが、生温かい目で見守ってやってほしい。