企業はWindows 7に積極的だ
企業では、Windows 7はどのように評価しているのだろうか?
マシュー 「Windows 7自体の評判は非常にいい。Vistaとの互換性が極めて高くなっています。パフォーマンスに関しても、Vistaよりよくなっています。企業はこうした面から、Windows 7を積極的に導入していこうとしていますね」
Windows XP(以下XP)のサポート状況をおさらいすると、現在企業が利用しているXPのメインサポートは2009年4月に終了。今後は、緊急のセキュリティ更新プログラムや有償サポートしか提供されない延長サポートになっている。延長サポートそのものは2014年まで続くが、今後のXPは、新機能が追加されることはない。
やはりこういった状況では、新しいPCを購入したとしても、XPへのダウングレードではなく、Windows 7を選択することになる。「マイクロソフトは、XPを利用している企業ユーザーのために、Windows XPモード(以下XPモード)などのXPとの互換性を重視した機能を用意しています」と、マシュー氏は互換性の高さを指摘する。
ところで、Windows 7への移行にあたって、もしWindows 7上でカスタムアプリケーションが動かなかった場合、改修するのがいいのか、それともXPモードで動作させるのがいいのか、どうなのだろう。実はレノボでは、そうしたケースがあり選択に迫られたという。レノボが採ったのは、XPモードでの動作ではなく、アプリケーションの改修だった。それほど大きく改修しなくても済むというのも、理由のひとつだ。
マシュー 「XPモードは互換性という面では、良いソリューションですが、仮想環境で動作するため、パフォーマンス的にはいいとはいえません。やはり、簡単に改修ができるなら、Windows 7環境でアプリケーションを動作させたほうが、Windows 7の性能の良さが発揮できるでしょう」
XPモードが用意されたことによる互換性の高さは、確かにWindows 7のポテンシャルの高さを示しているが、とはいえもうひとつのWindows 7のアドバンテージであるパフォーマンスの高さを利用するには、やはりどこかのタイミングでアプリケーションの改修をしたほうが、よりよいはずだ。
企業によっては、独自開発のXP用のアプリケーションのソースコードを持っていなかったり、開発会社が倒産してしまったりしていることもある。このため、最終手段としてXPモードを使って、現在の業務アプリケーションを動かし、数年のうちにWindows 7で新たに開発し直すべきだろう。
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