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Windows 7はビジネスPCを変えるか?第3回

富士通に聞く、法人向けWindows 7戦略

2009年09月03日 09時00分更新

文● 遠竹智寿子

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ここ数年「PC購買の低迷期」と言われる一方で、外資系ベンダーによる価格競争が加速している。日本メーカーにとっては厳しい状況だ。Windows 7がこういった現状を打破することを期待する向きもあるだろう。今後のビジネスPC分野における戦略を、国内大手はどのように考えているのだろうか。富士通を取材した。

エコとセキュリティーをキーワードにした独自の製品展開

 富士通は、PCの開発から製造までを日本国内で行なっている。ここ数年は「信頼感のある品質」と「独自技術の実装」といった強みを生かし、富士通ならではの細かな製品作りに重きを置いているイメージが強い。

取材に対応いただいた、富士通 パーソナルマーケティング統括部 クライアントPCグループ プロジェクト課長(クライアントPC担当)の水内俊博氏(左)とパーソナルビジネス本部 PC事業部 SSPC技術部 プロジェクト課長の鶴見泰友氏(右)

水内 「(ビジネスPCに関しては)最新のものを考慮しつつ、市場ニーズを踏まえ、キーワードとなるものをウォッチし取り入れています」

とのことだが、 特にビジネス分野では“エコ”や“セキュリティー”といったコンセプトを前面に押し出した製品企画を精力的に展開している。

24Wの低消費電力を謳うFMV-ESPRIMO

 例えば、業界最低消費電力を謳うデスクトップ「FMV-ESPRIMO」関連記事)や、グリーン電力証書システムに対応した「FMV-BIBLO LOOX U」のエコモデルなど “カーボンオフセット搭載PC”だ。

 その一方で、手のひら静脈認証や携帯電話を用いた暗号復号化アプリケーションなど、高度なセキュリティー技術の開発にも注力している。この分野では、PHSネットワークを利用した遠隔操作によって、HDDに保存されたデータを守る、紛失・盗難対策ソリューション「CLEARSURE」(クリアシュア)対応のノートPCを発表したばかりだ(関連記事)。

PHS回線を利用したセキュリティーの仕組み。HDD内のデータは暗号化しておき、紛失・盗難時にはその復号化に必要な暗号鍵をPHS回線経由で消去する。こうすることで重要なデータにはアクセスできなくなる

 CLEASUREでは、HDD内の暗号鍵を消去し、暗号化されたデータを復元できなくする技術が盛り込まれている。



市場シェアトップも不況には痛手

 IDC Japanが8月19日に発表した、2009年第2四半期(4月~6月)の調査(日本国内のクライアントPC市場出荷実績値)によれば、ビジネス市場のパソコン出荷台数は、151万台(昨年比22.2%減)とデスクトップパソコン、ノートパソコンともに激しい落ち込みを見せている。

IDC Japanが調査した国内ビジネスPCのベンダー別シェア。富士通はシェアを伸ばし、1位になったが、出荷台数そのものは減っている

 このリサーチ結果で、富士通はベンダー別で1位となっているものの、出荷台数では前年同期比9.8%減と大きく数字を下げており、販売実績について「とても厳しい状況下にある」(水内氏)。この点は、ほかのメーカーと大きくは変わらない状況だ。ちなみに2位以下は、NEC、デル、東芝、日本HPが続く。

 こうした現状について水内氏は「他社との価格競争も、痛手となっている」と、本音をちらりと覗かせた。

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