8月27日、シャープは新ジャンルとなるモバイルインターネット端末「NetWalker」シリーズを発表した。
製品についての詳しいレビューはすでに別記事で掲載しているので、ここでは記者会見の模様を紹介しよう。
現在多くの人にとって、もっとも一般的なモバイル機器は携帯電話だろう。しかし、携帯電話でアクセスできるインターネットはPCと比べて、まだまだ限定的なものである。そこでシャープではケータイとともにもう1台持ち歩く端末「ケータイ Plus One」を提案。「ケータイの機動力」「パソコンの高性能」「電子辞書を上回る操作性」を兼ね備えた次世代モバイルを目指している。
第一弾となる「NetWalker PC-Z1」には、もちろん上記の3要素は盛り込まれている。
「ケータイの機動力」という部分では、ほぼA6サイズで約409gのボディ。そして、約3秒でスタンバイ状態から復帰するクイック起動機能。「パソコンの高性能」は5型ワイドというサイズながら、1024×600ドットというネットブック並みの解像度を持つ液晶と、14mmピッチのフルキーボード。「電子辞書を上回る操作性」ではタッチインターフェイスとオプティカルポイントがそれにあたる。
OSにはPC用としても人気が高まっている「Ubuntu 9.04」のカスタマイズ版を採用した。Webブラウザ「Firefox」、メールソフト「Thunderbird」とPC上でインターネットを利用する上で欠かせないソフトウェアがほぼフルスペックで動作するのが大きな特徴である。
なお、Ubuntuを採用した理由としては「モバイルに最適という意味で、容量が小さく、クイック起動への対応。PCに近いインターフェイスを採用していること」が挙げられた。
CPUはFreescale社の「i.MX515」(800MHz)を搭載している。ARMコアを用いるため、PC向け(x86用)の実行ファイルがそのまま動作するわけではないが、ユーザーレベルによって、さまざまなソフトが用意されることが予想できる。
通信機能は標準では無線LANのみなので、出先ではUSB接続のデータ通信端末を用いる。どの端末に対応するかは、発売までに情報を提供するとのことだが、会場には現在テスト中として、イー・モバイル/ドコモ/ウィルコムの3G系アダプタが置かれていた。またマウスやキーボード、USBストレージにも対応する
最後に販売台数の目標として「2009年度で10万台を予定」という数字が挙げられた。さらには「(こういった小型端末としては)久々の大ヒットになるのではないか」との強気の発言も飛び出した。
なおハッキリと明言されたわけではないが、発表会後の取材では第2第3のバリエーションモデルの可能性や「Androidの搭載も有り得ると思う」といった発言も聞かれたように、NetWalkerシリーズが単発で終わることなく、さらなる展開を想定していることが示唆された。
