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こんなにあるの!? ホームシアターの最新サラウンド技術

2009年08月07日 16時00分更新

文● 鳥居一豊

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手軽にサラウンドを楽しめる「バーチャルサラウンド」

パイオニア「SE-DRS3000C」

パイオニア「SE-DRS3000C」(実売価格4万円前後)は、デジタル無線技術により、ワイヤレスでサラウンド再生が可能。「ドルビーデジタル/プロロジックII」、「dts」、「AAC」にも対応。トランスミッター部にヘッドホンをセットするだけで充電できるのも便利

 DVDやBDの普及に加え、地上デジタルでもサラウンド音声が可能になり、サラウンド再生の認知度は高まった。しかし、室内にたくさんのスピーカーを配置するのは日本の家庭環境では難しいことが多く、本格的なホームシアターの普及は伸び悩んでいる。

   そこに登場したのが「バーチャルサラウンド」だ。これは、前方のスピーカーだけで、仮想的に後方の音も再現する技術。簡単に言うと、右耳と左耳から入ってくる音のズレを認知して音の方向を判断する仕組みを利用するもの。実際にスピーカーを後方に立てた方がサラウンドの効果は大きいが、最近のバーチャルサラウンド技術では、前後左右の包まれるような音までうまく再現できる。

   このバーチャルサラウンド技術は、電機メーカーやオーディオメーカーも独自の方式を開発しているが、ドルビーの「ドルビーバーチャル」はホームシアター機器などでの採用例も多い。

   また、SRSの仮想サラウンド技術「SRS WOW」を採用した薄型テレビもある。そして、これらの技術を利用して、ヘッドフォンでのサラウンド再生を可能にしたものが「ドルビーヘッドホン」だ。

   これらはドルビープロロジックやドルビーデジタルと組み合わせることで、音楽CDなどのステレオ音声も、DVDなどのサラウンド音声も、5.1chサラウンドで楽しむことができる。

   これらの技術によって、サラウンド再生は飛躍的に身近なものとなり、薄型テレビの買い換えと一緒にラックタイプのホームシアター機器を購入する人も増えているようだ。

パナソニック「SC-HTR110」(実売価格7万円前後)は、バーチャルサラウンド再生が可能なラックシアター。内蔵スピーカーは2.1ch構成で、「ドルビーバーチャル」のほか、「ドルビーデジタル/プロロジックII」、「dts」、「AAC」デコーダーを内蔵する

パナソニック「SC-HTR110」(実売価格7万円前後)は、バーチャルサラウンド再生が可能なラックシアター。内蔵スピーカーは2.1ch構成で、「ドルビーバーチャル」のほか、「ドルビーデジタル/プロロジックII」、「dts」、「AAC」デコーダーを内蔵する

   残念なのは、いわゆるHDオーディオへの対応が遅れていること。これはAVアンプとサラウンド用スピーカーがセットになったモデルも同様でまだ数は少ない。ただし、最新モデルでは、HDMIを使ったリニアPCMマルチチャンネル信号の伝送には対応しているので、プレーヤーなどでHDオーディオをリニアPCMマルチチャンネル信号で出力できるモデルなら、HDオーディオを楽しむことは可能だ。

   BDプレーヤーなら、ほとんどのモデルがHDオーディオのデコード機能を持つが、なによりありがたいのは、普及度の点でも圧倒的な「プレイステーション 3」もHDオーディオのデコードが可能だということだ。再生チャンネル数は、ホームシアター機器のチャンネル数に制限されてしまうが、実際の所、発売される映画タイトルのほとんどは5.1ch音声なので、それほど不足はないだろう。

   さて、そんなサラウンド界をリードする企業であるドルビーとdtsに、よりディープなサラウンドの魅力についてお話を伺った。この模様は後日掲載する。

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