このページの本文へ

CMPテクノロジーがInteropなどのイベントを譲渡

原点回帰か?藤原洋氏が仕掛けるInterop再生計画

2009年08月05日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

8月4日、ナノオプトニクス・エネジーはInterop Tokyoをはじめとしたイベント事業をCMPテクノロジージャパンから譲り受けたことを発表した。Interopで培ってきた相互接続の精神と「マーケット標準」という概念を、放送や自動車など幅広い業界に拡げていくのが目的とのこと。

「マーケット標準」を全方位展開する

 ナノオプトニクス・エナジーはナノテクノロジーや超伝導、環境関連の技術の開発を行なうベンチャーで、インターネット総合研究所の藤原洋氏が代表取締役を務めている。

 CMPテクノロジージャパンから譲渡されたイベントの運営は、子会社のナノオプロトニクス・メディアに新設されたF2Fフォーラム事業部で行なう。譲渡対象となるイベントはInterop Tokyoのほか、8月に開催される「Interop Conference」、11月に開催される「IPTV Summit@InterBEE」、「世界天文博」、「Email Security Expo&Conference」、12月に開催される「Application Performance」などのIT関連イベント。「ネット&モバイル通販ソリューションフェア」は対象外となる。

発表会でナノオプトテクニクス・エナジーの藤原洋氏、慶應義塾大学の村井純氏、中村修氏、ナノオプトテクニクス・メディアの大嶋康彰氏

 インターネットは紙の上で作られた規格のIETFと、製品を相互接続するInteropという両輪で普及を続けてきた。藤原氏は今回事業の譲渡を受けた理由の1つとして、このInteropのモデルを他の業種にも拡大していくという目的があると語る。「インターネットの成功は産学官の連携があると思う。もともとInteropも名前の通りベンダー標準だったネットワークを相互接続するという目的があり、そこに対して企業や研究者が努力してきた。この産学官連携という成功モデルを他に提供していく。「デジュール(国際標準)でも、デファクトスタンダード(事実上標準)でもない、市場が受け入れる『マーケット標準』をいかにやるかが大きなテーマ」(藤原氏)とのこと。標準化団体の規格やベンダーの製品ではなく、厳しいユーザー目線でたたき上げられた技術や製品を「マーケット標準」として世界に売り出していくというのが目標というわけだ。

ユーザー目線で製品やサービスが決まる「マーケット標準」という表現が多用された

 また、今までのInteropを藤原氏は「今までは商用化しすぎている面があったのではと考えている。今までアワードの選定やShownet実現など構成メンバーとしてイベントに携わってきたが、経営母体によって内容は大きく異なり、とにかくブースが広ければいいというところもあった」と振り返った。そのため、今後はトレードショーの側面を堅持するとともに、相互接続実験の舞台である「Shownet」を重点的に行なっていくという。とはいえ、現在のInteropは以前に比べ相互接続実験の意義が薄れつつある一方、商用イベントに徹しているわけではないという点で、やや中途半端なイメージはつきまとう。「主催者としてShownetのようなイベントの重要性を理解しつつ、起業家としてのリスクをとり、あるべき姿に戻していく」(藤原氏)とのことだが、この点をいかに明確に見せていくのかも課題といえるだろう。

 今後、Interopがカバーする重点分野としては、インターネットのほか、携帯電話、放送、自動車などの4分野が挙げられた。実行委員長である慶応義塾大学の村井純氏は「日本でのインターネットが20年目を迎えたこの時期、技術的にはみんなIPネットワークに収斂しているが、異なる業界のサイロ構造を乗り越え、どうやってつないで行くのかは大きな課題。また、相互接続という観点では、光の通信やワイヤレスの技術が成長してきて、レイヤ1~2の接続性を検証するのが重要と考えている」と新生Interopのイメージについて語った。

 来年のInterop Tokyoは、デジタルサイネージジャパン、IMC Tokyoとともに6月9日~11日に開催される。小規模化したとはいえ、13万人の来場者数(2009年度)を数えるイベントだけに、幅広い業界を巻き込むことができるか、主催者の力量が試される。

カテゴリートップへ

ピックアップ