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人物は入れる? 写真のフォーマットは?

「ゆる鉄」中井精也氏に聞く、スローな鉄道写真の秘訣

2009年07月30日 10時30分更新

文● 加藤 修/アスキー第一書籍編集部

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中井氏のゆる鉄センサーが発見したものとは……


 さらに先へ進むべく姫松駅から再び乗車して車内からロケハンを始めたところ、帝塚山四丁目駅に差し掛かるところで「あ! ここで降りましょうっ」と中井氏。ゆる鉄センサーが何か被写体を察知したのかと思いきや、駅前にある喫茶店の看板を指さして「銅板で焼いたホットケーキだって! これ絶対に美味しいよ!」と、お菓子&スイーツ好きの本領をここでも発揮! 作品づくり同様、甘いものにも貪欲な中井氏の姿勢がかいま見られたエピソードだ。

電車の中から見つけた喫茶店でちょっと休憩。バターと生クリームをたっぷり塗りつけたホットケーキを食べてご満悦の中井氏。「僕の直感どおり、やはり美味しかった!」

 そして、ホットケーキで空腹を満たしたあと、帝塚山四丁目駅のホームで次の電車を待っていときのこと。突然、中井氏は「あっちへ移動しましょう」とホームから降りて駅前の家々へと足早に向かっていった。するとそこには、民家の軒下にひまわりが咲いており、「夏休みの朝」をイメージさせる光景が広がっていた。実際はこのひまわり、駅のホームからは見つけづらい位置に咲いていたのだが、それを瞬時に察知する中井氏のゆる鉄センサーの鋭さには、さきほどのホットケーキといい、ただただ驚かされるばかり。

 ここで中井氏が撮影したひまわりの写真は7月25日分の「1日1鉄!」に公開されている。正確には「ゆる鉄」の正方形フォーマットではないが、ゆるさを存分に味わえる作品だ。一緒に添えられた「けたたましいクマゼミの声。窓に揺れる風鈴の音色。ちんちん電車のモーターの音。体中で夏を感じだ」という中井氏のコメントがまた心に残る。

撮影再開。帝塚山四丁目駅前の民家でひまわりを発見。今度は、ひまわりを主題にして電車が来るのを待つ。この時に撮影した写真は、7月25日の中井氏のブログで確認できる



お散歩カメラ感覚で気楽に始めてみよう


 今回の「ゆる鉄」ロケに同行して感じたのは、撮影機材をフル装備して「よし! いい作品を撮るぞ」と意気込むのではなく、お散歩カメラの感覚でリラックスしながら撮影を楽しむことの大切さ。コンパクトデジカメやケータイでも気軽に始められる、そんな“ゆるさ”を感じさせてくれた。みなさんも自分のゆる鉄センサーをフル稼働して、今年の夏の思い出を「ゆる鉄」風に残してみてはいかが?

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