続いて省都昆明での日食レポ。日食は朝ということもあり、太極拳などで人が集う街の中心の広場「東風広場」に向かった。ここでは、地元の人々が大集結して世紀の天文ショーを見守り、その横では、いつも通りおばちゃんが太極拳やダンスをしていた。
雲南省は最果てであり、中国人なら一度は行ってみたい観光地で、観光地では上海や広東省や北京など遙々やってきたお金持ち旅行者ばかりとなるため、携えるカメラも日系メーカーのデジカメが当たり前。人によっては高級レンズをつけたデジイチユーザーもいて驚かされる。
が、今回は地元民の集結である。デジカメユーザーは10人にひとりくらい。重装備をしたデジイチユーザーもいるが、携帯電話のカメラ機能で撮ろうとする人は非常に少ない。
数年前から中国で売られる携帯電話でもカメラが付いているのは当たり前だが、「スペックの低いケータイのカメラでは撮る気になれぬ」のが中国人の心情だそうで、デジカメを携えてない人はただひたすら、その場で10元(約140円)で売られていた(自称)日食用サングラスや、持ってきたフィルムや、レントゲン写真を通して欠けた太陽を見ていた。
そして太陽が元のかたちに戻るや、人々は退散。広場には相変わらずマイペースに踊るおばちゃん達だけが残った。
おまけ。日食と関係なくマイペースで踊るおばちゃんたち
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)