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T教授の「戦略的衝動買い」 第60回

抜群の書き味! ヴィトンの「レアモノ」万年筆

2009年07月23日 16時00分更新

文● T教授

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デザインよし、書き味よし

 ドック・キュイールでは、まずその見た目に心を引かれた。柔らかいゴートレザーで万年筆本体を巻き上げて、25個の真鍮製のピンで縫合したスタイルは超個性的で、万年筆ファンでなくても強く興味を抱いてしまうだろう。

ドック・キュイール

キャップのネジは極めて正確で、指先の感触もいい。毎回、取り外す瞬間が楽しい

ドック・キュイール

ノワールに組み合わせるものは、やはり黒系にならざるを得ない

ドック・キュイール

筆者が愛用しているステッドラーの子供用万年筆と並べてみた。両者の価格には大きな開きがあるが、独自のコンセプトを持っていて、いずれも素晴らしい製品だと思う

 プロダクトデザインは、世界の著名なホテルなどを手掛けたことで知られる「アヌシュカ・ヘンペル」だ。オマスのスタンダードとは一線を画するデザインだが、筆者は彼女のポジティブな仕事を評価したい。

 キャップ部分は、万年筆の後ろに付けられないようになっている。万年筆で文字を書く際、「キャップは必ず本体のうしろに付けられないとダメ」という考えだったら、その時点でドック・キュイールは失格だろう。

ドック・キュイール

ペン先のイリジウムポイント。中字の柔らかそうな筆跡が目に伝わってくる感じだ

 ただ、キャップは机の上に置いておいてもいい主義なら、絶妙なホールド感や筆記バランスの恩恵に預かれる。ドック・キュイールは、ほぼ本体の重さだけを利用してペン先を滑らせるだけで、柔らかくて伸び伸びした文字が書ける。筆記感覚は人それぞれの好みがあるが、筆者はこの書き心地に魅了されてしまった。

 ちなみに筆者は、それほど文字が細かいわけでもなく、長文の原稿を書く必要もないので、ペン先はMサイズ(中字)を選択した。本体には、使い捨てのハーフサイズ・カートリッジとボトルインク用のコンバーターの両方が付属している。筆者はコンバーターを利用して、パイロットから発売された「Tsuyu-kusa【露草】」という薄いブルーの万年筆用水性インクを充填して使っている。

ドック・キュイール

インクカートリッジは世界で一番小さなヴィトンロゴの入った商品かも知れない。実際にリフィルとしてヴィトンの店頭で買うと、いくらかかるのだろうか?

ドック・キュイール

持っていたいろいろなメーカーのカートリッジと比べてみた。どうもOHTOの万年筆用カートリッジが一番近い感じだ

ドック・キュイール

筆者がお気に入りのパイロット「Tsuyu-kusa【露草】」。独特の綺麗なブルーだ。

 普段、ペンを持ち歩くためのケースもいろいろ試して見たが、黒のドック・キュイールには、ボッテガベネタのやはり超柔らかい革ケースが最適だった。

ドック・キュイール

同じルイ・ヴィトンの1本差しケースはちょっとポップ過ぎて似合わない

ドック・キュイール

最も気に入っているペンシースだが、コードバンがハード過ぎるかも……

ドック・キュイール

GANZOの円筒形ケース。余裕があり、ドックキュイールが中で遊んでしまう

ドック・キュイール

同じ黒系で、ソフトかつタイトで無駄がない。ペンの収まりも抜群だ。ドック・キュイールをケースにしまうなら、ボッテガベネタのイントレチャートで決まりだ

 「銀キャップのルイヴィトン ドック・キュイール ノワール」は、オンラインショップも含めて、市場に残っている数が激減している。衝動買いするなら今しかない!


今回の衝動買い

アイテム:ルイヴィトン ドック・キュイール(ノワール・銀キャップ)
標準価格:11万5500円(オンラインショップにて購入)


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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