auからシャープ製端末「SOLAR PHONE SH002」が発売されることで、いよいよケータイにもソーラーパネルが搭載されるようになった。そしてソフトバンクの「SOLAR HYBRID 936SH」も8月には登場する。ケータイにソーラーパネルが搭載されることは、どのような意味合いがあるのだろうか。そしてメジャーな機能となるのだろうか。
今回、au端末についてはシャープ株式会社 通信システム事業本部の中田尋経氏、ソフトバンク端末については同じく澤近 京一郞氏にそれぞれ話を伺った。
ソーラーケータイを取り巻く背景
バッテリーと電波を気にするケータイユーザー
地球環境問題、資源枯渇、そして安定しない原油価格。いずれをとっても、我々の生活に欠かせない「電気エネルギー」という資源の転換を迫られているのが現在の状況であることは説明するまでもない。しかし我々は既に「電気エネルギーを気にする日常」を送っていることにお気づきだろうか。
生活インフラとなっているケータイは、電池によって動作している。ケータイのインフラが3Gに移行した当初は電池の持ちが非常に悪く、常に残量を気にしながら日常生活を送っていたし、現在のiPhoneユーザーはそのときの気分やノウハウを思い出しながら、電池を絶やさず交信し続けられる状態を保とうとしている。
ケータイの画面の上部は、ある種の「ライフ」表示だ。電波が3本立っているかどうか。そして電池が減り始めるとだんだん不安になってくる。夜ベッドでケータイメールをやりとりしながらそのまま寝落ちしてしまって、充電し忘れた朝はぞっとする。この感覚はケータイ依存症の人たちだけのモノではなくなった。
ケータイはいかにサボるか、ということに長けている端末。より弱い出力で通信できること、つまりバリ3状態でいることは、それだけで電池の寿命を伸ばしているのだ。「バリ3じゃないと不安」というのは通信できるかどうかだけでなく、どれだけ長く通信できるかにも関係している。
家の電気は消し忘れても、ケータイの電池は長持ちさせようとする。この歪んでいるとも言える省エネ志向は、常に身につけ、自分の分身、もしくは自分の経験や友人とのつながりが収められているケータイという存在だからこそ。地球が自分の経験やつながりを司っていると考えれば、もっとエコ活動も活発になりそうなモノだ。
この連載の記事
-
第100回
スマホ
ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか? -
第99回
スマホ
フォロワー計32万人の2人が語る2009年のiPhoneとメディア -
第98回
スマホ
写真で振り返るケータイ10のミクロなシーン -
第97回
スマホ
ケータイが支える、マイクロ化と遍在化するメディア -
第96回
スマホ
ノマドワークのインフラをどう整えるか? -
第95回
スマホ
冬春モデル発表会で見えた、本当に欲しいケータイ -
第94回
スマホ
デザインから考える、ケータイのこれから -
第93回
スマホ
次の自動車社会とケータイとの関係 -
第92回
スマホ
モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察 -
第91回
スマホ
楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」 -
第90回
スマホ
iPhoneと過ごしたNYとメキシコの旅でわかったこと - この連載の一覧へ