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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第76回

ソーラーケータイはこれからのメインストリームに?

2009年06月16日 16時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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ソーラーガジェットの先駆者たち
太陽電池でまず思いつくのは電卓

 2009年のケータイ業界は「ソーラーケータイ」というカテゴリに足を踏み入れる最初の年になった。

 昨年から「au design project」では人工衛星のようにソーラーパネルを開くコンセプトモデルが披露されていた。それとは直接は関係がないというものの、auとソフトバンクの夏モデルとしてそれぞれ「SOLAR PHONE SH002」と「SOLAR HYBRID 936SH」がリリースされる。両機種ともシャープが製造する端末だ。

au design project

au design projectで発表された人工衛星のようなソーラーフォン。今回発表された端末はこのコンセプトモデルとは直接の関連性はないという

 この2つの端末は、ソーラーパネルをディスプレイの背面に搭載するスタンダードな折りたたみ型端末として作られている。ソーラーパネルを搭載する防水ケータイという仕様の点で、2つの端末は共通のポテンシャルを持っており、デザインとカメラの違い、ラインアップの中での位置づけなどで特徴付けることができる。

 ところで、この世で最も身近なソーラーパネルを搭載しているガジェットは電卓ではないだろうか。電池交換を気にせず、室内の明かりだけでキチンと動作してくれる。シャープは1973年に液晶を使った電卓の初号機を出し、1976年には太陽電池を搭載した電卓を販売した歴史を持つ。現在の液晶テレビに繋がるシャープのブランドは電卓から培った技術に支えられている。

 そのほかにも、身近なソーラー機器に時計がある。カシオなどが積極的に取り組んできた領域だ。はじめはむき出しで「ソーラーパネルがありますよ』というデザインだったが、最近は文字盤をソーラーパネルにするなど、デザインと溶け込んでいて、言われなければパネル内蔵だと分からないものも多い。

 ソーラーと共に電波時計も腕時計で一般的な機能になってきた。電波ソーラー腕時計は、光さえあれば電池を充電してくれて、しかも時刻合わせも自動的にしてくれる。完全にメンテナンスフリーで正確な時刻を知らせ続けてくれるガジェットへと進化している。ソーラーケータイの将来像の一案は電波ソーラー時計かもしれない。

液晶電卓の歴史

液晶と太陽光パネルは歴史的にも現在もシャープにとって、大きな存在となっている

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