ソーラーガジェットの先駆者たち
太陽電池でまず思いつくのは電卓
2009年のケータイ業界は「ソーラーケータイ」というカテゴリに足を踏み入れる最初の年になった。
昨年から「au design project」では人工衛星のようにソーラーパネルを開くコンセプトモデルが披露されていた。それとは直接は関係がないというものの、auとソフトバンクの夏モデルとしてそれぞれ「SOLAR PHONE SH002」と「SOLAR HYBRID 936SH」がリリースされる。両機種ともシャープが製造する端末だ。
この2つの端末は、ソーラーパネルをディスプレイの背面に搭載するスタンダードな折りたたみ型端末として作られている。ソーラーパネルを搭載する防水ケータイという仕様の点で、2つの端末は共通のポテンシャルを持っており、デザインとカメラの違い、ラインアップの中での位置づけなどで特徴付けることができる。
ところで、この世で最も身近なソーラーパネルを搭載しているガジェットは電卓ではないだろうか。電池交換を気にせず、室内の明かりだけでキチンと動作してくれる。シャープは1973年に液晶を使った電卓の初号機を出し、1976年には太陽電池を搭載した電卓を販売した歴史を持つ。現在の液晶テレビに繋がるシャープのブランドは電卓から培った技術に支えられている。
そのほかにも、身近なソーラー機器に時計がある。カシオなどが積極的に取り組んできた領域だ。はじめはむき出しで「ソーラーパネルがありますよ』というデザインだったが、最近は文字盤をソーラーパネルにするなど、デザインと溶け込んでいて、言われなければパネル内蔵だと分からないものも多い。
ソーラーと共に電波時計も腕時計で一般的な機能になってきた。電波ソーラー腕時計は、光さえあれば電池を充電してくれて、しかも時刻合わせも自動的にしてくれる。完全にメンテナンスフリーで正確な時刻を知らせ続けてくれるガジェットへと進化している。ソーラーケータイの将来像の一案は電波ソーラー時計かもしれない。
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