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粟倉社長に聞く、ファイルメーカーの戦略

2009年06月08日 10時00分更新

文● MacPeople編集部 写真/福田栄美子

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 ファイルメーカーがMac版「Bento 2」と同期できるiPhoneアプリ「Bento for iPhone and iPod touch」を発売した(関連記事iTunes Storeで見る)。今年2月に就任したばかりの粟倉 豊社長にFileMakerを含めた同社製品の今後の展開を聞いた。

粟倉 豊代表取締役社長。浜松ホトニクスにて海外営業・輸出国際業務に従事したあと、2000年日本テレロジック、2007年アボセントジャパンにて代表取締役を勤める。2009年2月より現職


ファイルメーカーの課題は企業向けのアプローチ

── 今年2月にファイルメーカーの社長に就任されたわけですが、御社の課題と今後の展開について聞かせてください。

粟倉氏 それは、私が会社を預かることになった背景とも重なる話だと思います。私は大学卒業後、国内電機メーカーに入社し、海外営業、輸出国際業務に従事しました。7年間はヨーロッパ各国の現地法人設立やセールスマネージメント業務に携わりました。

 また、2000年に外資系の会社を預かるようになってからは、ずっと企業向けの仕事を中心にしてきました。昨年の秋、「あるデータベースベンダーが企業向け市場へのシフトを検討中で、経験がある人材を捜している」という話をいただき、年内に就任が決まりました。

 ファイルメーカー自体は日本の市場に参入して長年の実績がすでにありますが、数人のグループ単位でのデータ管理という使われ方が多くを占めていました。それを数十人、数百人の規模で使って、企業向けに拡大していきたいという課題があったのです。


── どのように進められるのでしょうか?

今年1月に登場した最新の「FileMaker Pro 10」

粟倉氏 もともと日本の市場は、海外とは違い、店頭でのパッケージ販売が大きな位置を占めています。しかし、パッケージ購入の流れではどうしても10人、20人で使うイメージがあります。企業内で使う場合も部署単位の購入では、ほかの部署の使用状況などがわからず、有益なデータベースが散在してしまいます。

 一方でバージョン10まで進化してきたFileMakerは、今や数百人規模の情報共有にも対応できるソフトなので、会社全体で導入できればこの状況を打破できるはずです。

 こういった課題に関して、1番目の柱として、ライセンス販売を行なう直販部隊を新しく組織しました。会社として、エンドユーザのお客様の声を直接聞くことが重要だと判断したからです。ここでは、新規購入だけでなく、アップグレードやメンテナンスに関しても直接ご相談を承ります。

 2番目の柱としては、開発中心のパートナーだったFBA企業が、ライセンスを再販できるようにしました。現在60社とFBA契約を結び、非常にたくさんのエンドユーザー企業向けにシステム開発をしていただいていますが、加えてライセンスの再販をしていただくことで、企業同士のつながりも深まると考えています。この再販はすでに3月から5社が始めています。

 3番目の柱として、大手インテグレーターとパートナーシップを結ぶ活動を進めています。これは、数百人レベルで使用する大規模ソリューションをFileMakerで開発するには、やはり開発事業者にも体力が求められる場合が多いからです。この3本柱で企業向けニーズに対応し、事業を大きくしていこうと思っています。


FBA(FileMaker Business Alliance)とは、年額4万9000円でファイルメーカー製品の導入やファイルメーカーを使った開発を代行する、ファイルメーカー㈱とのパートナー契約のこと。優待価格で製品を購入できるほか、マーケティングについてのサポートも受けられる 


全国5都市でFileMakerイベントが開催!

 この6〜7月にかけてファイルメーカーのパートナー向けイベント「FileMaker Road Show 2009」が開催される。内容は、業務の効率化に関する「ソリューションセミナー」と、FileMakerソリューションの開発技術を学びたい人向けの「スキルアップ・ワークショップ」という2種類。参加費は無料だが、定員があるのでお申し込みはお早めに! 詳細はこちらのページを参考にしてほしい。

日程 都市 ソリューションセミナー定員 スキルアップ・ワークショップ定員
第1回 6月22日 福岡 50名 30名
第2回 6月25日 札幌 50名 30名
第3回 6月29日 大阪 50名 50名
第4回 6月30日 名古屋 50名 30名
第5回 7月2日 東京 100名 50名

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