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データベースソフト

本格データベースを直感的に作れる「Bento 2」

2008年11月27日 12時00分更新

文● 倉田吉昭

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細かな使い勝手が改善されてパーソナルデータの管理も楽々

Bento 2 【SPEC】
開発/販売元●ファイルメーカー 価格●5040円(通常版)、1万290円(ファミリーパック)
http://www.filemaker.co.jp/

対応システム●Mac OS X 10.5.4以上 対応マシン●867 MHzのPowerPC G4以上、Intel インテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
表計算ソフトとの連携が強化され、使い勝手が向上。価格も手ごろで、本格的なデータベースソフトを探していた人に勧めたい。


 ファイルメーカーの「Bento」は、今年の3月に日本語版が発売された個人向けのLeopard専用カード型データベースソフトだ。それからわずか8ヵ月という速さで、バージョン2が登場した。

 データベースと聞くと難しい印象を受けてしまうが、Bentoはデータベースというよりも「データビューアー」といった作りだ。扱えるデータは、数字/住所/スケジュール/メールアドレス/写真などさまざまだが、これらは多くの場合、アドレスブックやiCalなどに入力済みだろう。そこでBentoでは、利用したい部分だけを抜き出して組み合わせ、用意されたテンプレートを使って見やすい形(フォーム)に整形するといったアプローチを採用している。

 もちろん、ゼロからデータを入力して運用することも可能だ。データは、フィールドと呼ばれる項目に分かれ、各フィールドは1枚のレコードに集約される。対象の各情報(フィールド)をカード(レコード)にまとめた集合である点が、カード型データベースと呼ばれるゆえんだ。

起動後の画面

Bentoを起動すると、初めから「ライブラリ」に、iCalやアドレスブックのデータが表示される。まずは、これらのデータベースを運用して、操作に慣れよう

フォームのカスタマイズ

データは表形式で全体を一覧表示できるほか、詳細をカード形式の「フォーム」で編集する。フォームをカスタマイズして、必要な項目だけを選んで表示するといい

 今回のバージョンアップの内容は、直感的な操作を実現する変更が中心。例えば、フォームのレイアウトを変更する場合、いちいち編集モードに切り替えなければならなかったバージョン1に対して、2ではフォーム表示のまま変更できる。

フォームの編集

モードを切り替えずに、そのままフォームを編集できる。もちろん、どのカードで編集しても同じライブラリ内のフォーム全体に適用される

 このほかにも、ユーザーが作成したフォームをテンプレートとして書き出す機能や、一覧表とフォームを同時に参照できる分割表示、アドレスデータからGoogleマップを使って地図を表示するなど、直感的な操作に加えてデータベース構築の作業効率が高まっている。一方で、ネットワークを介した複数のユーザーの同時アクセスといった共有機能がないのは残念だ。

分割表示

分割表示を使えば、フォームを見ながらデータを一覧できる。表形式では新規項目を入力するだけで作成可能

Mailのメール本文を扱う

新たに、Mailのメール本文をデータとして扱えるようになった。内容の閲覧は、Quick Lookで行える

 総括すると、Bentoは同社の看板データベースソフト「FileMaker Pro」の簡易版ではないため、一般的なデータベースソフトの使い勝手を期待していると、物足りなさを感じてしまう。あくまで、これまで表計算ソフトやテキストファイルでデータを蓄積してきた人に、一歩進んだデータの再活用を促すという新発想ソフトだ。

 本格的に使いこなすにはデータベースの知識も必要だが、アドレスデータなどを分類して管理するだけで、初心者でも便利さの一端は味わえるだろう。バージョンアップにより操作性と作業効率が向上したため、気軽に扱えるデータベースソフトになった。表計算ソフトなどを、データベースソフト代わりに使っていたユーザーにBento 2への移行をお勧めしたい。

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