細かな使い勝手が改善されてパーソナルデータの管理も楽々
【SPEC】 開発/販売元●ファイルメーカー 価格●5040円(通常版)、1万290円(ファミリーパック) http://www.filemaker.co.jp/ 対応システム●Mac OS X 10.5.4以上 対応マシン●867 MHzのPowerPC G4以上、Intel インテルCPUを搭載したMac |
【COMMENT】
表計算ソフトとの連携が強化され、使い勝手が向上。価格も手ごろで、本格的なデータベースソフトを探していた人に勧めたい。
ファイルメーカーの「Bento」は、今年の3月に日本語版が発売された個人向けのLeopard専用カード型データベースソフトだ。それからわずか8ヵ月という速さで、バージョン2が登場した。
データベースと聞くと難しい印象を受けてしまうが、Bentoはデータベースというよりも「データビューアー」といった作りだ。扱えるデータは、数字/住所/スケジュール/メールアドレス/写真などさまざまだが、これらは多くの場合、アドレスブックやiCalなどに入力済みだろう。そこでBentoでは、利用したい部分だけを抜き出して組み合わせ、用意されたテンプレートを使って見やすい形(フォーム)に整形するといったアプローチを採用している。
もちろん、ゼロからデータを入力して運用することも可能だ。データは、フィールドと呼ばれる項目に分かれ、各フィールドは1枚のレコードに集約される。対象の各情報(フィールド)をカード(レコード)にまとめた集合である点が、カード型データベースと呼ばれるゆえんだ。
今回のバージョンアップの内容は、直感的な操作を実現する変更が中心。例えば、フォームのレイアウトを変更する場合、いちいち編集モードに切り替えなければならなかったバージョン1に対して、2ではフォーム表示のまま変更できる。
このほかにも、ユーザーが作成したフォームをテンプレートとして書き出す機能や、一覧表とフォームを同時に参照できる分割表示、アドレスデータからGoogleマップを使って地図を表示するなど、直感的な操作に加えてデータベース構築の作業効率が高まっている。一方で、ネットワークを介した複数のユーザーの同時アクセスといった共有機能がないのは残念だ。
総括すると、Bentoは同社の看板データベースソフト「FileMaker Pro」の簡易版ではないため、一般的なデータベースソフトの使い勝手を期待していると、物足りなさを感じてしまう。あくまで、これまで表計算ソフトやテキストファイルでデータを蓄積してきた人に、一歩進んだデータの再活用を促すという新発想ソフトだ。
本格的に使いこなすにはデータベースの知識も必要だが、アドレスデータなどを分類して管理するだけで、初心者でも便利さの一端は味わえるだろう。バージョンアップにより操作性と作業効率が向上したため、気軽に扱えるデータベースソフトになった。表計算ソフトなどを、データベースソフト代わりに使っていたユーザーにBento 2への移行をお勧めしたい。