紙文書の保管コストは、50名のフロアで年間67万円※1かかると試算される(PFU調べ)。そんな見えないコストを削減できる、PFUのデジタルファイリングシステム「楽2(らくらく)ライブラリ」の企業向け2製品がバージョンアップした。中小企業向けの「楽2ライブラリ クライアントサーバ」と、大企業向けの「同 Document Manager」があり、ともに最新版はV5.0となる。
※1 年間67万円の算出条件は、50名のオフィスで、ファイル数は1名あたり20冊、1キャビネットあたり0.4m2で60冊保管し、フロアの管理料を1m2あたり月額7000円としている。
棚にバインダーを並べるように 電子文書を管理できる
楽2ライブラリは、個人ユーザー向けの同社ドキュメントスキャナー「ScanSnap」に付属する文書管理ソフト(付属版は「楽2ライブラリ パーソナル」という名称、関連記事)。現実のキャビネ(書類棚)を模したインターフェースに、バインダー(紙の文書をまとめて管理する文具)を仮想フォルダーとして並べ、PC画面上であたかも紙のファイリングをめくるように電子文書を扱えるのが特徴。もちろん、デジタル化しているため文書の検索や特定ページへのジャンプ、印刷などは紙の文書よりも手軽だ。
今回バージョンアップしたクライアントサーバとDocument Managerは、PC単体で運用するパーソナルと異なり、文書をサーバー側で管理・運用する。クライアントサーバとDocument Managerの違いは以下の通り。導入する企業や部門の規模、用途に応じて選択したい。
Document Managerのみにできること
- 電子化した文書に貼付する検索用キーワードに、「契約書」「注文書」などビジネスシーンに応じたテンプレートを用意
- ファイルのクライアント側への保存(持ち出し)や印刷の制限が可能
- 社外から参照するためのURL発行(Webサーバー機能)を標準搭載(クライアントサーバはオプションで対応可能)
- クライアントサーバーと比較して、管理可能な文書量が5倍に増強(推奨文書管理可能数は最大500万件)
- 奉行シリーズなど企業の基幹システムとの連携が可能
なお、クライアントサーバ/Document Managerでも、ScanSnapで取り込んだ電子文書をサーバー側に取り込んで運用できるほか、クライアント側に仮想プリンタードライバーを組み込んで文書を電子化できる。
V5.0の特徴――初期導入コストを低減
今回のバージョンアップでは、新たに5クライアントからの小規模導入が可能になった(クライアントサーバのみ。従来は最小10クライアント)ほか、マイクロソフトが4月にリリースした低価格サーバーOS「Windows Server 2008 Foundation」にも対応した。また、サーバー単品のパッケージも用意され、導入が気軽に行なえるようになったのが特徴。ScanSnapを企業で導入している場合は、クライアントとしてScanSnap付属の楽2ライブラリ パーソナルを利用できる。
価格は、楽2ライブラリ クライアントサーバのエントリーパッケージ(5クライアントライセンス付属)が15万円、基本パッケージ(10クライアント)が25万円、Web公開ツールは年間ライセンスで28万2000円、サーバパッケージ単体が10万円。Document Managerの基本パッケージ(10クライアント)が70万円、サーバパッケージ単体は55万円、クライアントサーバからのアップグレードパッケージは45万円、など。