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ネットで薬が買えなくなる──改正薬事法問題を知る

2009年03月23日 10時00分更新

文● 高橋暁子

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 2009年6月1日に「改正薬事法」が施行される。

 最近、その改正薬事法問題が取りざたされることが増えている。しかし、普段から医薬品関係の情報を収集している読者は少ないだろう。何が問題なのか、消費者にはどんな影響があるのかなどが分かりにくく感じる。ここでは、改正薬事法問題の論点、消費者にどのような影響があるかなどをまとめる。

 医師の処方箋を必要とせず、薬局などで購入できる医薬品をOTC(Over The Counter)ドラッグなどと呼ぶ。

 改正薬事法では、このOTCを副作用などのリスクが高い順に第1類~第3類に分け、第2類は、登録販売者を導入すればスーパーやコンビニ、家電量販店などで、さらに第3類はネットや通信販売も可能になるというものだ。

訂正とお詫び:第1類医薬品を販売できるのは、薬剤師のいるドラッグストアとなります。記事掲載時に誤解を招く表現がありました。お詫びして訂正いたします。(2009年3月24日)



改正薬事法が問題になる理由


 改正薬事法には規制緩和という側面もあるが、ネットを含めた通信販売の部分だけに絞って考えると、規制強化とも言える。禁止対象となる第1類、第2類の医薬品は、現在ネットで購入できる一般医薬品のうち約7割にも上るからだ。

2009年6月1日以降、市販の医薬品は副作用の強さに応じて第1~3類に分けられ、その表示が義務付けられることになった

 また、一般的に通信販売に頼っている割合が高い伝統薬も、今後は通信販売できなくなってしまう。ネットで医薬品を販売している企業であるオンラインドラッグ協会、ケンコーコム、楽天、ヤフーらがこれに反対し、反対署名を集めているのも、当然の動きだろう。2月17日の時点で、50万件もの署名が集められているという。

 もうひとつ問題になっているのが、決定までの経緯だ。実は、改正薬事法には、ネットを含む医薬品の通信販売についてはまったく触れられていない。厚生労働省が、施行直前の2009年2月6日に公布した「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」厚生労働省のPDFファイル)により、禁止されたという経緯がある。その内容は、憲法違反になるのではないかという議論まである。

 厚生労働省は、2008年9月から10月にかけてパブリックコメントを募集した。医薬品のネット販売等通信販売について寄せられた意見を見ると、2353件のうち約97%に当たる2303件が省令案に対して反対意見だった。

 にも関わらず、規制が決まってしまったことも、ネット企業らの不満の種となっている。通常のパブリックコメントは100件集まれば多い方だというが、2300を超すコメントが来たことだけでも、今回の問題が注目を集めていることが分かるだろう。

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