お買い得度は単機能プリンターより高い
印刷速度はモノクロテキスト10ページで2分49秒(標準)/41秒(最高速)。同社の“速いモード”ではかなり印刷が薄くなるため、提出文書などには向いていないこともあって、やや遅いという印象は否めない。とはいえ、L判ふちなし最高画質で約1分50秒と、従来機に比べればそれほど待たされる感はない。画質に関しては、6色以上のインクを採用する機種を除けば同社ハイエンド機と同クラスのプリントエンジンを採用するだけあって、非常に良好だ。肉眼での粒状感はもちろん、ルーペで拡大して見てもほとんどざらつきは感じられない。
印刷サンプル 左がパソコンから印刷したもの(印刷時間:1分48秒)、右がメモリーカードからの印刷(1分52秒)。画質的には差異はないようだ。どちらも自動画質補正オートフォトファイン! EXをかけている。拡大画像は600dpiでスキャンした等倍画像。 |
複合機全盛のインクジェット市場とはいえ、スキャナーを別に保有している場合や、かさばる複合機を置きたくないなど、非複合機の需要はまだまだある。ダイレクトプリンターはパソコンでほかに重い作業(ビデオ編集やDVD書き込み、オンラインゲームなど)を行なっているときでもデジタルカメラ画像の印刷が手軽にでき、印刷時以外でも普段からメモリーカードリーダーとして活用できる。同社最高クラスの画質を持ちつつも同クラスの単機能プリンタ「PM-G850」と比べて、実売価格的には5000円程度しか負担にならないことを考えればかなりのお買い得なモデルといえる。印刷速度面では他社製品には及ばない場合もあるが、画質を最優先として考えるならばコストパフォーマンスは非常に高い製品と言えるだろう。
印刷に用いたデジタルカメラデータ。元画像は2304×3072ドットで、640×480ドットにリサイズおよびトリミングしている。 |
“Colorio”PM-D870の主なスペック | |
製品名 | PM-D870 |
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印刷解像度 | 最高5760×1440dpi |
印刷速度 | 89秒(A4カラー、光沢写真用紙) |
使用インク | C/M/Y/Bk/ライトシアン/ライトマゼンタ(染料):各90ノズル |
用紙サイズ | A6~A4、名刺、カード、L判/2L判、KG、ハイビジョン、六切 |
給紙容量 | リアトレイ:最大120枚(A4)もしくは最大50枚(ハガキ) |
液晶ディスプレー | 3.5インチTFT液晶パネル |
インターフェース | USB 2.0、IrDA、IEEE802.11b/g(オプション)、10/100BASE-TX(オプション)、Bluetooth(オプション) |
本体サイズ | 453(W)×343(D)×194(H)mm |
重さ | 約6.6kg |