来場者で混雑するHD DVDプロモーショングループのブース。会場内ではそこかしこでHD DVDの紙袋を持った人を見かけ、関心の高さをうかがわせた |
両陣営ともにHDD内蔵レコーダーを発表し、いよいよ本格的に始まった次世代DVD戦争。ここでは製品投入で先行したHD DVD陣営による、“CEATEC JAPAN 2006”での展示をまとめてチェックしたい。
HD DVD陣営の本家本元と言える(株)東芝では、6月に発表したデジタル放送対応HD DVD/HDDレコーダー『RD-A1』を中心に、ハイビジョン品質での録画品質を、同じRD-A1でDVD品質の映像と並べた比較展示を行なっていた。さすがに大画面TVで見比べればその差は歴然で、足を止めて見比べる来場者も多く見られた。
HD DVD/HDDレコーダー『HD-A1』を2台使って、HD DVDとDVDでの録画画質を比較。写真では分からないが、展示を見ると精細感の差は一目瞭然 | HD DVDプレーヤーの参考展示品。現行の『HD-XA1』より安価な価格帯を狙ったモデルと思われる |
またCEATEC開幕直前に発表されたノートパソコン用薄型タイプの記録型HD DVDドライブと、薄型ドライブ用の光学ピックアップヘッドなども展示されていた。HD DVD-Writebleに対応した薄型ピックアップヘッドは、12.7mm厚タイプと9.5mm厚タイプの2種類がある。いずれも1枚の対物レンズと、CD/DVD/HD DVDで異なる3つのレーザーダイオードを使用する“3レーザー/1レンズ”タイプ。3種類のレーザーダイオードを搭載する理由については、こなれたCD/DVDの2レーザータイプをベースに開発したためとのこと。
東芝サムスン ストレージ・テクノロジー(株)によるHD DVDドライブの数々。ノート用の記録型ドライブも年内に供給を開始する | 12.7mm厚の『SD-L902A』に使われている記録型HD DVDドライブ用光学ピックアップヘッド。3種の波長のレーザーをひとつの対物レンズで扱える |
12.7mm厚の記録型HD DVDドライブを搭載したノートパソコン“Qosmio”の試作品も参考展示されていた。再生用ドライブを搭載する『Qosmio G30/797HS』と同様のトレイローディングタイプのドライブを使用していたが、いずれはスロットインタイプも開発したいとのことだ。またUSB 2.0接続タイプの外付けHD DVD-ROMドライブも参考出品されている。こちらなどはすぐにでも製品化できそうだ。
記録型HD DVDドライブを搭載するQosmioの試作機(右)と、USB接続タイプのHD DVD-ROMドライブ | USB 2.0接続のHD DVD-ROMドライブ。電源はACアダプターのようだ。すぐにでも商品化できそうな雰囲気だが、市場は記録型待ちか? |
HD DVDの普及促進団体“HD DVDプロモーショングループ”のブースも設けられ、HD DVD対応機器や映像ソフトの展示が多数行なわれていた。家電タイプの機器は、メーカーがほとんど東芝1社という現状もあって、バリエーション面ではやや寂しい面もあったが、マイクロソフト(株)の『Xbox 360』用の外付けHD DVDドライブ『Xbox 360 HD DVDプレーヤー』が何台も展示され、Xbox 360でのHD DVD再生のデモを披露していた。
Xbox 360と専用のHD DVD-ROMドライブ『Xbox 360 HD DVDプレーヤー』。TVも操作できるリモコンが付属する |
パソコン関連で目を引いたのは、HD DVDドライブ搭載ノートパソコンが、東芝以外からも複数出展されていた点だ。Blu-rayドライブ搭載パソコンはデスクトップ型がほとんどだったのと比べると、ずいぶんと異なった印象を受けた。出展されていたのは東芝のQosmio G30に加えて、台湾ASUSTeK Computer社、台湾エイサー社、米ゲートウェイ社の3社。いずれもHD DVD-ROMドライブを搭載し、付属ソフトによるHD DVDソフト再生を可能としている。特にエイサーの“Aspire9800”シリーズは、20インチワイドサイズ、1680×1050ドットの大型液晶ディスプレーを搭載する巨大ノートで、光沢のある大画面パネルで異彩を放っていた。各社のHD DVD搭載ノートの、日本での発売も期待したいところだ。