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NEC、日立、日本HP、サーバー仮想化技術で共同プロジェクトを開始

2006年06月27日 16時09分更新

文● 編集部 西村賢

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ミッションクリティカル市場でのITインフラ整備を目指す

日本電気(株)、(株)日立製作所、日本ヒューレット・パッカード(株)の3社は27日、HPのUNIX OS、“HP-UX”をベースとした仮想化技術、“HP Virtual Server Environment”(VSE)を利用したシステム開発技術のための環境整備に向けて、共同プロジェクトを開始すると発表した。ミッションクリティカル分野では38%と業界1位のシェアをもつHP-UXを中心に、金融や通信など、高信頼性が求められる分野でのITインフラ整備を目指す。

3社の代表
共同プロジェクト開始で合意したNEC、日本HP、日立の3社の代表

ITインフラはTCO削減のために“サーバーの拠点集約”による運用管理費の削減、“サーバー統合”による利用効率の向上、“仮想化”によるハードウェアリソースの利用率向上といったアプローチが進められてきた。

近年とくに、物理サーバーを仮想化し、その上でさまざまなOS、ミドルウェア、アプリケーションを動作させることで、企業が保有するハードウェアリソースを最大限に生かすというアプローチが注目されているが、システムデザイン、実装、動作検証に要する時間が課題となっていた。連携させるOSやデータベースのバージョンごとに検証が必要なほか、パフォーマンスチューニングについても、ハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションのすべてが固定された垂直統合のソリューションとして個別に行なう必要があった。

動作検証などの技術情報を共有

今回の共同プロジェクトでは、HPのもつVSE技術を中核に、データベースや業務アプリケーションなど主要なサーバーアプリケーションについて、相互の動作検証を行なう。具体的には、

  • 3社ごとに専任エンジニア部隊を設置し、検証センターを設立
  • 3社が保有するミドルウェアと主要アプリケーションを、HP-UX/VSE上で検証
  • 仮想化環境で最適なソフトウェア構成配置を、基本構成として確立・提供

となっている。各社が検証センターで行なった技術情報は、「月に1度程度の会合で共有していく」(日本HP 榎本敏之氏)としており、効率的な環境整備を目指す。最終的には、これまでシステム実装に17~34週間かかっていた行程を4~7週間に短縮。大幅なスピードアップを目指し、顧客ニーズに応える。

検証対象 検証センター
主要サーバーアプリケーションの動作を検証日立、NECは検証センターを設置

ベンダーの壁を越えた協業によって、業界標準のソフトウェアスタックを仮想環境上で整備していく試みは国内では初めてだ。こうしたオープンな環境での環境整備の意義について、日本HP執行役員の松本芳武氏は「VSEのエコシステムにNECと日立がコミットすることで、市場での認知度や信頼度に貢献する」と説明。ベンダーが集まって共同作業をすることで、オープンで水平分離の進んだ環境が構築できると話した。

松本芳武氏
日本HP 執行役員 エンタープライズストレージサーバ統括本部長 松本芳武(まつもとよしたけ)氏

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