Socket 479M版のC7がBLESS秋葉原本店で展示されている。C7をオンボードで搭載するマザーボードは過去に発売されているが、ソケットタイプのCPU単体を見かけるのは今回が初となる。VIAによると、「Socket 479M版のC7は、開発中に作られたプロトタイプで、全世界で数個のみ存在している」とのこと。
![]() |
![]() | |
---|---|---|
幻のSocket 479M版“C7-M”。CPU裏面には“C5J”というC7のコードネームの記載されている |
展示されているのはモバイル用超低電圧版の「C7-M 775」で、動作クロックは1.5GHz、L2キャッシュは128KB、TDPは7.5Wとなる。超低電圧版の“C7-M”はIBMの90nm SOIプロセスで製造されており、FSBは400MHzとなる。また、SSE3をサポートし、独自のセキュリティ機能“PadLock”を搭載している。ちなみにモデルナンバーの百の位の“7”はC7を意味しており、十の位の“7”は超低電圧(Ultra Low Voltage)、一の位はCPUのランクとなっている。
CPUの裏面には“C5J”と、C7のコードネームが記されており、本CPUが間違いなくC7だとわかる。“C5J”は、開発アナウンス時に“V4”バスとともにPentium M互換のバスをサポートすると表明されていたが、これは結局キャンセルされ、VIA独自の“V4”バスのみのサポートとなったいきさつがある。これを踏まえると展示中のCPUは、開発当初にPentium M互換CPUとして製造された幻のCPUということになる。その後“V4”バスのみのサポートが決定し、同CPUはお蔵入りとなった可能性が高い。
![]() |
![]() | |
---|---|---|
“nanoBGA2”しか販売されていない“C7”だが、確かにピンがある | BLESS秋葉原本店でひっそりと展示中だ |
同店の展示スペースにはこのCPUの「CPU-Z」によるステータス画面が掲示されている。CPUの名前が“VIA C7 M 754”、パッケージが“nanoBGA2”となっているが、同店によると「CPU-Zが誤認識しているようだ。本来なら表に出るはずのないCPUなので仕方がない」とのこと。特筆すべきはその発熱量で、同店によると「TDPがわずか7W前後なので、ファンレスのみならずヒートシンクレスでも運用可能。実際に動作中のコアを指で触れてもあまり熱を感じない」という。
これほどまでの超低電圧、低発熱なCPUならぜひ欲しいという人もいるだろうが、残念ながら「CPUのみの販売は絶対にしない」とVIAが断言している。
![]() |
![]() | |
---|---|---|
BLESS秋葉原本店に掲示されている「CPU-Z」のステータス画面。CPUの名前が“VIA C7 M 754”、パッケージが“nanoBGA2”と誤認識されているようだ。動作電圧は0.983V、L2キャッシュは128KBとなっていた |
![]() |
![]() | |
---|---|---|
チップセットに“i915G”とあるが、同店によると「既存のSocket 479M対応マザーボードではBIOSが対応していないため動作しない」という。なお、「CPU-Z」を動作させる環境については「メーカーとの約束で答えられない」としている |
