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ライブドア、MBA公開ワークショップにて“livedoor Wireless”の概要と展開について説明――2006年末には1都8県で6万アクセスポイントを目指す

2005年12月12日 21時04分更新

文● 編集部 小西利明

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livedoor Wirelessを担当する、ライブドア 執行役員上級副社長の照井知基氏
livedoor Wirelessを担当する、ライブドア 執行役員上級副社長の照井知基氏

モバイルブロードバンド協会は12日、東京都内にて、同協会の取り組みについて報告する“MBA公開ワークショップ”を開催した。ワークショップでは同協会に加入した(株)ライブドアが、同社の公衆無線LANサービス“livedoor Wireless”の概要と、今後のサービス拡充プランについての説明を行なった。

当初説明を予定していた同社執行役員上級副社長の照井知基(てるい ともき)氏は、体調不良とのことで冒頭の挨拶だけとなったが、同社が今年6月にlivedoor Wirelessの発表を行なって以降、「業界全体が非常に活性化した」として、同社が先鞭を付けたことにより、公衆無線LANサービス自体が急速に広がり始めたという自負をのぞかせた。livedoor Wireless自体は12月1日に正式サービスがスタートし、毎日100人単位でユーザーが増えているとしたが、照井氏は現状に満足せず、「まだまだエリアが狭い。都内に1500ヵ所しかアクセスポイントがない。1日でも早く、どこでもつながるようにアクセスポイントを設置していきたい」と、サービス拡充の必要性を強く感じていることを述べた。

ライブドアが電柱に設置している無線LANアクセスポイントの写真。設置作業では、不審に思った警官に呼び止められたこともあるという
ライブドアが電柱に設置している無線LANアクセスポイントの写真。設置作業では、不審に思った警官に呼び止められたこともあるという

照井氏の後を受けて説明を行なったlivedoor Wireless担当の板井清司氏は、東京電力(株)の電柱に設置されたアクセスポイントの写真を披露しながら、現在までのサービス概要について説明を行なった。livedoor Wirelessは無線LAN規格のIEEE 802.11b/gを利用して通信を行ない、アクセスポイントは主に電柱に設置。アクセスポイントごとに(株)パワードコムの光ファイバー回線を敷設してインフラを構築している。livedoor Wirelessの利点について板井氏は、アクセスポイントの多さ(第1次計画で山手線内に2200ヵ所)によるカバーエリアの広さと月額料金の低価格さ(525円)、さらにIEEE 802.11b/gに加えて、光ファイバー回線をインフラに使うことによる、上り下りともに広帯域であることなどの利点を挙げた。

光ファイバーを足回りのインフラに使い、IEEE 802.11b/gを採用した低価格の公衆無線LANサービスが実現できた理由について板井氏は、“アクセスポイント自体の低価格化(5年で20%まで低価格化)”“光ファイバー利用料金の低価格化”“インテル(株)のCentrinoモバイル・テクノロジなどにより、ノートパソコンの無線LAN標準搭載”などの理由を挙げた。またライフスタイルの変化により、一般層もインターネットの必要性が高まっているとして、大学生の就職活動がインターネット上に移行している例などを挙げながら、ユーザーニーズがかつてなく高まっていることを示した。



第1次プランでの、livedoor Wirelessのカバーエリアの図。ほぼ山手線内のみとなっている 六本木交差点周辺のアクセスポイント設置場所と、カバーエリアの図。六本木通り沿いにかなりの密度で設置されているが、実際には遮蔽もあったこのとおりにはいかないという
第1次プランでの、livedoor Wirelessのカバーエリアの図。ほぼ山手線内のみとなっている六本木交差点周辺のアクセスポイント設置場所と、カバーエリアの図。六本木通り沿いにかなりの密度で設置されているが、実際には遮蔽もあったこのとおりにはいかないという

livedoor Wirelessのサービスエリアは、現時点で山手線のほぼ内側のみ(一部で山手線外に出ている場所もある)で、電柱上のアクセスポイントを中心に2200台が設置されることになっている。板井氏はライブドア本社のある六本木ヒルズ近辺の地図に、アクセスポイントとカバーエリア推定図を重ねた地図を示して、人通りの多い地域を主体としたカバーエリアの密度を説明した。しかし地図上ではアクセスポイントのカバーエリアは円で描かれているものの、実際には遮蔽物で遮られることも多いため、このとおりにはいかないとの現実も言及された。そのため“どこでもlivedoor Wirelessにつながる”環境を構築するために、さらにアクセスポイント設置を拡充。2006年夏頃には第2次プランにて、東京23区内にさらに4000ヵ所のアクセスポイントを増設するという。山手線外のアクセスポイント設置は、主にJR線や大手私鉄の主要路線の駅に沿った配置になるようだ。

第2次プランでは山手線の外側、鉄道沿線沿いにアクセスポイントを設置し、合計で6200ヵ所の設置を計画している
第2次プランでは山手線の外側、鉄道沿線沿いにアクセスポイントを設置し、合計で6200ヵ所の設置を計画している

その先の拡充プランについては、2006年末に1都8県の6万ヵ所に設置して、都内以外にもサービスを広げるほか、2007年末には全国主要都市への拡大を行なうというロードマップが披露された。また現在は電柱を主体に行なっているアクセスポイントの設置場所についても、電柱のない屋内や電線の地下埋設による電柱の撤去が進んでいる地域を考慮して、自動販売機にアクセスポイントを設置する計画を進めていることも明らかにした。板井氏は自動販売機への設置について、「必ず電力が供給されている」との利点を述べた。

livedoor Wirelessのサービスエリア拡充ロードマップ。1年後には1都8県の6万ヵ所まで拡大される予定だ カバーエリアの拡大案。電柱だけではビルの内部には届かないうえ、都市部からは電柱自体が減っているとして、自動販売機の活用がうたわれている
livedoor Wirelessのサービスエリア拡充ロードマップ。1年後には1都8県の6万ヵ所まで拡大される予定だカバーエリアの拡大案。電柱だけではビルの内部には届かないうえ、都市部からは電柱自体が減っているとして、自動販売機の活用がうたわれている

さらに高速移動体通信やアクセスポイント密度の低い地域向けに、米ArrayComm社が開発した無線通信技術“iBurst”の利用を推進していくという計画も示された。iBurstは“アダプティブ・アレイ・アンテナ技術”などを用いて、高い周波数利用効率を特徴としている。通信速度は1ユーザーあたり下りで1Mbpsが可能とされている。板井氏は日本でiBurstの実証実験を行なっている京セラ(株)での実験を体験した事例について紹介し、アクセスポイントから3~4kmの距離がある高速道路上を走行しながらでも、無料IP電話ソフト“Skype”での通話を維持していたと述べて、iBurstの有望性に期待を示した。

iBurstに限らず、WiMAXなど次世代の無線ブロードバンド通信技術についても、MBAの参加者と一緒に研究しながら、「利用者にとってメリットの高いものを選んでいきたい」とした。また今後の無線LANサービスの方向性として、通信会社間のローミングや周波数帯の有効利用といった技術的な面だけでなく、自治体と協力して公共サービスを低コストで提供するといったアイデアも示された。板井氏は「インフラを作っただけでは意味がない。サービスがその上に乗って初めて、何かの形ができあがる。サービスを公共のものとしてうまく使っていくためには、自治体の協力を取り付けていかなければならない」と、今後の課題を述べた。

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