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富士通、カーボンナノチューブを利用した半導体チップの放熱基板を開発

2005年12月05日 23時42分更新

文● 編集部

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富士通(株)と(株)富士通研究所は5日、カーボンナノチューブを利用した半導体チップの放熱基板を開発したと発表した。

フェイスアップ構造 フリップチップ構造
フェイスアップ構造カーボンナノチューブによるフリップチップ構造

開発したのは、携帯電話基地局などで利用される高周波の高出力増幅器用の放熱基板で、これまでは高出力トランジスターチップをパッケージに直接接合して熱を逃がす“フェイスアップ構造”が採用されていたもの。フェイスアップ構造では、トランジスターチップの電極とパッケージの電極を接続する金属ワイヤーのインダクタンスの影響で、周波数を上げようとすると増幅率が低下するという問題がある。それを解決するものとして、トランジスターチップを裏返してチップ電極とパッケージ電極を短い金属バンプ(突起電極)で接続する“フリップチップ構造”があるが、高出力増幅器では従来の金属バンプでは十分な放熱を行なうのが難しい。そこで高い熱伝導率を持つカーボンナノチューブをバンプに採用したという。

カーボンナノチューブバンプ
カーボンナノチューブ(CNT)バンプ

開発した技術は、触媒にFe(鉄)膜を用いることで、基板に垂直に15μm以上のカーボンナノチューブを成長させる“カーボンナノチューブ成長技術”と、カーボンナノチューブの微細加工性を用いて、高出力トランジスターの微細電極パターン(幅10μm以下)に合わせた微細カーボンナノチューブバンプを形成し、バンプとフリップチップを接合できるようにする“カーボンナノチューブバンプとフリップチップの接合技術”の2つ。カーボンナノチューブ1本あたり1400W/mK(ワット毎メートル毎ケルビン)の熱伝導率を持つため、フリップチップの高増幅率を持ちながら、フェイスアップ構造と同等の放熱製を確保できたとしており、従来のフェイスアップ構造に比べて、インダクタンスを半分以下に低減でき、5GHz以上の高周波での増幅率を2dB以上に向上できたとしている。

今後、バンプ中のカーボンナノチューブを高密度化することで、放熱性を向上させ、3年後くらいをめどに第3世代以降の携帯電話基地局への適用を目指すという。



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