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富士通と横河電機、次世代の超高速光伝送システムの要素技術やコンポーネント開発で戦略的パートナーシップを結ぶ

2006年03月01日 18時51分更新

文● 編集部 小西利明

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パートナーシップ合意を発表した、横河電機代表取締役社長の内田勲氏(左)と、富士通取締役専務 経営執行役専務の伊東千秋氏
パートナーシップ合意を発表した、横河電機 代表取締役社長の内田勲氏(左)と、富士通 取締役専務 経営執行役専務の伊東千秋氏

富士通(株)と横河電機(株)は1日、次世代の超高速光伝送システムの実現に必要な、システム要素技術やコンポーネントの共同開発を行なう戦略的パートナーシップに合意したと発表した。横河電機の化合物半導体デバイス技術と富士通の光伝送製品のシステム開発技術を組み合わせて、通信速度40Gbps以上の高速光伝送システムを開発する。

記者説明会にて、詳細の説明に先立って行なわれた挨拶で横河電機 代表取締役社長の内田勲氏は、このパートナーシップが同社の光伝送システム関連事業にとって、大きな飛躍をもたらすと述べ、2010年には同事業で1000億円を超える売上を目指すとした。また富士通 取締役専務 経営執行役専務の伊東千秋氏は、米国市場でナンバー1となるには最先端の技術が必要としたうえで、光通信機器市場では日米でナンバー1にある同社と、光通信機器向けデバイスに強い横河電機とのアライアンスによって、安定したビジネスが可能になると語った。

富士通と横河電機のパートナーシップの概略図。超高速光伝送システムを開発するために、横河電機は化合物半導体デバイスを、富士通は光伝送システム全体の開発を協力して行なう。これにより富士通はシステム全体を、横河電機は超高速光伝送システムに利用できる高速な化合物半導体デバイスの製造技術を獲得する
富士通と横河電機のパートナーシップの概略図。超高速光伝送システムを開発するために、横河電機は化合物半導体デバイスを、富士通は光伝送システム全体の開発を協力して行なう。これにより富士通はシステム全体を、横河電機は超高速光伝送システムに利用できる高速な化合物半導体デバイスの製造技術を獲得する

パートナーシップの詳細について説明した、富士通 経営執行役 フォトニクス事業本部長の近間輝美氏は、両社が1997年頃から、横河電機のWDM(波長多重伝送)モニターを、富士通の光伝送システム製品に搭載する使用するなど、すでに光伝送システム関連での協力関係にあったことを明かした。また40Gbps級の光通信デバイスでも、両社のコンポーネントを組み合わせた製品が開発されたこともある。こうした協力関係を元に、富士通のシステム構築技術と横河電機のインジウム・リン化合物半導体デバイス技術を組み合わせて共同開発を行ない、次世代システム開発のロードマップ共有や、ビジネスプランの共同策定などを行なうという。共同開発の成果を元に、横河電機は富士通のシステム向けに半導体デバイスの製品開発と生産を実施、富士通はこれらのデバイスを用いて光伝送システム製品を市場に投入する。市場投入の時期については“早期に”という形でしか表現されていないが、40Gbps級の光伝送システムが1~2年先の競争の中心になるとのコメントもあり、登場時期も同じくらいになるのではないかと目される。

富士通と横河電機の協力により開発された製品の事例
富士通と横河電機の協力により開発された製品の事例

横河電機側から説明を行なった、同社フォトニクスデバイス事業センター長の三浦明氏は、1983年から積み重ねた同社の化合物半導体デバイス開発の歴史について触れ、従来は自社グループ製品向けだった化合物半導体デバイスを広く提供することで、社会インフラである光通信の分野に貢献するとしている。

横河電機の化合物半導体デバイス開発の歴史。今回のインジウム・リン化合物半導体のほかに、ガリウム・ヒ素化合物半導体などで高速な通信用半導体を開発してきた 横河電機の手がける化合物半導体と応用製品。シリコン半導体に比べて、電子の移動速度が速く高速化に適するなどの特徴を備える
横河電機の化合物半導体デバイス開発の歴史。今回のインジウム・リン化合物半導体のほかに、ガリウム・ヒ素化合物半導体などで高速な通信用半導体を開発してきた横河電機の手がける化合物半導体と応用製品。シリコン半導体に比べて、電子の移動速度が速く高速化に適するなどの特徴を備える

富士通側としては、今後の光伝送システム向けの半導体デバイスについては、横河電機からの供給に頼ることになる。なお今回のパートナーシップにより開発される化合物半導体デバイスは、富士通に対しての独占供給ではなく、外販も予定されているとのこと。その代わり、富士通側としては「最初の製品向けには優先的に供給する等の配慮をしていただければ」(近間氏)とのコメントが述べられた。

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