米ウェブルート・ソフトウェア(Webroot Software)社は30日、東京・恵比寿の恵比寿ビジネスタワーでプレスミーティングを開催し、米国のリテール(店頭)市場でシェア68%を持つというスパイウェア対策ソフト『Spy Sweeper(スパイスウィーパー)』の機能を紹介するとともに、今年8月15日~24日までの10日間に実施した『Spy Sweeper 4.0 日本語ベータ版』の無償ダウンロードキャンペーンの結果を公表した。
ミーティングには、Director, Product Managementのマイケル・グリーン(Michael P.Greene)氏らが出席し、2005年第2四半期の米国でのスパイウェアの状況などを説明した。米ウェブルートが運営している自動スパイウェア検出システム“Phileas”(フィリアス、映画にもなったジュール・ベルヌの冒険小説『80日間世界一周』の主人公から名付けたという)での調査によると、スパイウェアを配布するサイトが2005年第1四半期から第2四半期の間に倍増し、スパイウェア定義数も10万件を突破する勢いで増えているという。スパイウェアを生産する国は、
- アメリカ
- ポーランド
- オランダ
の順に多く、また個人ユーザーだけでなく企業の端末にも増えているという。具体的には、同社が米国で企業向けに提供している“Enterprise Spy Audit”(エンタープライズ・スパイ・オーディット、スパイウェアの検出のみ行なうサービス)が検査した2000社以上の結果として、パソコン6万台中、80%以上から“好ましくないソフトウェア(トロイの木馬/システムモニター/クッキーやアドウェアなど)”が発見され、1台あたり平均27件のスパイウェアが検出されたと説明。ちなみに、個人ユーザー向けの同様の検出サービス“Consumer Spy Audit”でも80%以上のパソコンからスパイウェアが検出され、1台あたりの平均も25.4件で第1四半期の22.8件より増加していることが分かった。
米国でまもなく発売予定の『Spy Sweeper 4.5』の画面。デバイスドライバーとして振る舞うスパイウェアについても検出・削除が可能になったという |
スパイウェアなどを利用した個人情報流出などの事件を受けて、米国では上院商業科学運輸委員会で4件のスパイウェア規制に関する法案が審議中のほか、同様の州法を10州が採用し、10州が法制化を検討している。またドイツでもスパイウェアが憲法上違反になるという見解を示すなど、規制の網が世界的に広がっていることを説明した。このほかの詳細については、同社ウェブサイトでレポートを掲示している。
近々発売予定の『Spy Sweeper 4.0 日本語版』の開発中の画面 |
また、日本でのスパイウェア対策ソフトの発売に先駆けて実施した、日本語ベータ版のダウンロードキャンペーンでは、10日間で639件のダウンロードがあり、116ユーザーからアンケートの回答が得られたという。それによると、日本語ベータ版をインストールしたパソコンで発見されたスパイウェアの件数は平均30.5件で、最大668個のスパイウェアが検出されたユーザーもいた。動作については、おおむね好意的に評価されたが、一部のユーザーから“常駐時にはパソコンの動作が遅くなる”という指摘があったことから、11月に発売予定の“日本語製品版”の開発チームに改良を指示したとしている。