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踊る! マイクロソフト連――徳島&高円寺、阿波踊りの暑い夏

2005年08月29日 23時59分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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あなたは“マイクロソフト”について、どのようなイメージを抱いているだろうか。最初に思い浮かべるのは、WindowsやOfficeなど自分にとって身近な製品か、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の顔ではなかろうか。しかし“マイクロソフト株式会社”のイメージを尋ねられれば、乱暴に言えば“外資系”というやや近寄りがたいニュアンスを持った言葉が真っ先に浮ぶのではなかろうか。しかし、徳島・徳島市と、東京・高円寺には“阿波おどり”と答える人が少なからずいるのだ。

高円寺の“純情商店街”を行くマイクロソフト連
高円寺の“純情商店街”を行くマイクロソフト連

今回の取材のきっかけは、筆者が見た、日本法人前社長のマイケル・ローディング(Michael Rawding)氏が阿波おどりのはっぴを着てポーズをキメている、1枚の写真だ。なぜ外資系企業のマイクロソフトが額に汗して阿波おどりをするのか、その全貌について、練習から“第49回 東京高円寺阿波おどり”の本番まで密着取材を行なった。



マイクロソフト連を支えるのは“カリスマ”ではなく“社風”

徳島でも高円寺でも、阿波おどりにおどりで参加するには、歴史のある同好会“有名連”、企業が主体の“企業連”、学生が主体の“学生連”など、“連(れん)”というグループに加わる必要が基本的にある。IT系では、電機メーカーやNTT系の企業連が知られている。

徳島市 阿波おどりの記念写真を前にした、ビジネスパートナー営業本部の宗像 淳氏
徳島市 阿波おどりの記念写真を前にした、ビジネスパートナー営業本部の宗像 淳氏。「終わったあとのラーメンはおいしかったよね!」。宗像氏は、徳島の阿波おどりを前に、“闇練(隠れてこっそり練習すること)”を積んだという(8月23日に東京・新宿のマイクロソフト社屋で取材)

マイクロソフトの企業連である“マイクロソフト連”が活動を始めたのは、2002年夏の“徳島市 阿波おどり”のこと。そもそも阿波おどりの参加を企画したのは、マイクロソフト社内の“チームビルド(Team Build:組織のチームワークを向上させるための取り組み)”からという。マイクロソフト連の中心になっているのは、SMS&P OEMグループの5つの本部で、他の部署のチームビルドは登山や運動会などというから、社内でも異色な取り組みと思われる。

では、なぜ山登りでなくて阿波おどりなのか。「組織が何か一体になれるもの」を求めていたというビジネスパートナー営業本部 業務執行役員の宗像 淳(むなかた じゅん)氏は、「気力がみなぎったり、アドレナリンが分泌されたりするような感覚がある。皆が一体となって、最後に筆舌尽くしがたい感動を味わえる」と祭り独特の高揚感を挙げた。もちろんそれが味わえる祭りは数多くあるだろうが、「阿波おどりには企業連や、飛び入り参加できる“にわか連”といった、参加しやすい文化があった」のだ。



お詫びと訂正:本記事掲載当初、宗像 淳氏のお名前の読み方に誤りがありました。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2005年8月31日)

マイクロソフトの社内には、もちろん徳島県出身者もいるが、“阿波おどりのカリスマ的存在”が中心になって活動をしているわけではない。「マイクロソフトは、阿波おどりに限らず、チームビルドの催しを案外しょっちゅうやる。分野によっては得手/不得手があるので強制はしないのだけれども、『どう?』というと皆が『やろう! やろう!』と自然発生的に寄ってくる。それが阿波おどりの場合は100人を超えたということ」と、宗像氏はマイクロソフト連を支える同社の社風を説明した。また、阿波おどり自体にも独特の魅力があるようで、インドア派の社員も一度参加すると「来年も出たい」と言い出すのだという。

2005年夏の徳島市 阿波おどりより、踊るマイクロソフト連(写真提供:マイクロソフト)
2005年夏の徳島市 阿波おどりより。踊るマイクロソフト連(写真提供:マイクロソフト)


MSBlasterでまさかのキャンセル

2002年夏、マイクロソフト連は約120名の社員で徳島市 阿波おどり参加した。大人数が集まり、チームビルドの取り組みとしては大成功だったのだが、徳島は言わずと知れた阿波おどりの本場。OEM営業本部で阿波おどりクラブ代表の細野裕平氏いわく「初心者が突然、テニスの“ウィンブルドン”に参加したようなもの」と振り返った。そして、本場の実力を体で感じ取った有志は、これではいけないと“阿波おどりクラブ”を立ち上げた。通年練習をしているので、社内で最も阿波おどりの実力があり、東京高円寺阿波おどりにマイクロソフト連として参加しているのはこのクラブである。

阿波おどりクラブの練習 阿波おどりクラブの練習
チームビルドの参加者は夏季に週1回のペースで、阿波おどりクラブの参加者は夏季に週1回以上、それ以外に月1回以上のペースで練習を行なっている。写真は阿波おどりクラブの練習風景で、場所は東京・新宿のマイクロソフトの会議室だ。「疲れたときは意識して手首を立ててください!」と、厳しく暖かく指導する講師は、高円寺の有名連“飛鳥連”の副連長 佐久間道子さん

一方、2002年夏のマイクロソフト連の噂は広まり、宗像氏によれば全国の販売パートナー/ユーザー企業の関係者から、参加したいという要望が続々と寄せられた。そして2003年夏、マイクロソフト連は外部企業の有志を加えて徳島の本番に向かって着々と準備を進めることになる。しかし、開催の直前にワーム『MSBlaster』が発生。イベントの前日に参加をキャンセルし、外部の参加者には「お祭りを観に行っていただいた」(宗像氏)と、この年は苦い思い出になってしまった。



総勢240名の大集団に

2004年、1年待ったパートナー/ユーザー企業と、噂を聞きつけたマイクロソフトの当時の社長ローディング氏を含めた総勢180名のマイクロソフト連は、再び徳島の地を踏んだ。宗像氏によれば「ずいぶん上達したね」と目の肥えた徳島の観客に褒められたという。そして今年2005年8月15日、徳島市 阿波おどりには、なんと240名が参加。ちなみに7月に就任したばかりの新社長ダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は、非常に参加したかったのだが引越しと重なったので今年は参加を見送った。

こうして年々拡大したマイクロソフト連は、2003年より外部企業の企業の参加者のため、阿波おどり当日のイベント開始前に徳島市のホテルで“徳島 エグゼクティブサミット”というセミナーを開催するようになった。“エグゼクティブ”と名前が付けられているのは、外部企業の参加者に経営者や重役が多いからである。徳島 エグゼクティブサミットでは、マイクロソフトの営業目標や新商品の紹介も行なわれるが、ノーネクタイ姿の、交流が主体のイベントとなっている。サミット後半には阿波おどりの講習会もあり、「商売っ気は全然ない」と宗像氏はいう。一方、マイクロソフト連に参加しているある外部企業の社員に聞いたところ「マイクロソフトのスタッフが汗だくになって踊っている姿は、普段のイメージとかけ離れている。ここでは、おどりを通じて“裸の付き合い”ができる」と、こちらは密な交流が評判なようだ。

2005年夏の徳島市 阿波おどりより(写真提供:マイクロソフト)
2005年夏の徳島市 阿波おどりより(写真提供:マイクロソフト)

マイクロソフト連の阿波おどりの掛け声

阿波おどりといえば「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン」というお囃子(掛け声)が有名だ。ここではマイクロソフト連の掛け声を紹介する。その3では、“ハッスルハッスル!”の掛け声で格闘家・小川直也さんのパフォーマンスをする。

その1
ぁやっとさー、ぁやっとやっとー!
ぁおどりは? マイクロ、ソフトで、踊ろよ!
ぁやっとさー、ぁやっとやっとー!
その2
ぁやっとさー、ぁやっとやっとー!
ぁいちかけにかけさんかけて、仕掛けた、おどりは、やめられぬ
ぁごかけろくかけしちかけて、ぁやっぱり、おどりは、マイクロだ!!
ぁやっとさー、ぁやっとやっとー!
その3
ぁやっとさー、ぁやっとやっとー!
マイクロ? ハッスルハッスル!
もういっちょ! ハッスルハッスル!
ぁやっとさー、ぁやっとやっとー!

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