ついに登場したインテルのデュアルコアCPU
現在のPCはインターネットの閲覧やメールのやりとりといった一般的な使い方では、何のストレスもなく使えるほど進化した。だが、デジカメで撮影した画像にフォトレタッチソフトでフィルタやエフェクトをかけたり、TVチューナ/キャプチャカードを使って録画した番組のCMカット、ゴースト/ノイズ除去の処理といったより一歩進んだ使い方を目指すと、どうしても高速な計算処理能力が必要になってくる。パソコンの計算処理速度は“CPU”と呼ばれるパーツがほとんどのウェイトを占めており、快適に作業が行えるかどうかは、このCPUの性能次第となる。
現在、大手メーカー製パソコンに搭載されているCPUは、インテルの製品が大きなシェアを占めている。そのインテルが鳴り物入りでリリースした新CPUが、デュアルコアを採用した“Pentium XE”シリーズと、“Pentium D”シリーズである。
写真は「Pentium Extreme Edition 840」。デュアルコアに加えてHyperThreadingにも対応する“Pentium XE”は、OS上から見える論理プロセッサー数が4つとなる |
こちらは「Pentium D 830」のパッケージ。デュアルコアCPUだが、HyperThreadingには非対応。その分安価でコンシューマ向けの製品だ |
デュアルコアCPUって一体なに?
CPUの性能を左右するのは、動作周波数だ。この数値が高ければ高いほど、高速に計算ができるというわけだ。だが、ここ近年、動作周波数を上げていくことが難しくなってきたため、別のアプローチを用いてスピードアップが図られるようになってきている。それが“デュアルコア”という考え方だ。これは1つのCPUパッケージの中に、CPUの基本部分であるCPUコアが2つ搭載されていることを指す。
わかりやすいようにCPUの働きを荷物を満載したトラックに例えてみよう。A地点からB地点まで荷物を早く、そして多く運ぶためにまず思い浮かぶのはスピードを上げる、つまり動作周波数を上げるのが手っ取り早い。だが、トラックの出せる速度には限界があるため、運べる荷物量はいずれ頭打ちになってしまう。ではどうすればいいか? 答えは簡単だ。トラックをもう1台追加すればいい。単純に2倍の荷物を同じ時間で運ぶことができる。このトラックこそCPUコアで、デュアルコアは2つのCPUを搭載し、それぞれに処理を分担させることで高速化を図っているのである。“Pentium D”シリーズは、同じ動作周波数のPentium 4を2個搭載しているデュアルコアCPUであり、単純に考えても2倍の速度が期待できるわけだ。
クロック3GHzのPentium 4を2個搭載している、デュアルコアCPU「Pentium D 830」 | 「Pentium D 830」と同クロックのシングルコアCPU「Pentium 4 630」 |