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もうすぐ開幕“RoboCup2005 OSAKA”――Team OSAKAが弾丸シュートを披露

2005年06月27日 23時14分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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自律型ロボットによるサッカーで知られる国際イベント“RoboCup(ロボカップ)”が、7月13日~19日まで、大阪市住之江区の“インテックス大阪”で開催される。今大会の正式名称は“RoboCup2005 OSAKA(ロボカップ2005大阪世界大会、以下大阪大会)”で、主催はロボカップ国際委員会、ロボカップ日本委員会、ロボカップ大阪大会開催委員会(いずれも非営利法人)。RoboCupは1997年の第1回世界大会以来、毎年1回のペースで開催されているが、日本国内での開催は2002年の福岡/釜山大会以来となる。大阪大会の開催を前に、RoboCup国際委員会のプレジデントを務める大阪大学大学院教授の浅田 稔氏らが記者説明会を開催し、今大会の見どころなどを説明した。

大阪大会のマスコットキャラクター。右から、明日丸(あすまる)、蹴三(けりぞう)、助太(すけた)、舞子(まいこ) ロボカップ国際委員会のプレジデントを務める大阪大学大学院教授の浅田 稔氏
大阪大会のマスコットキャラクター。右から、明日丸(あすまる)、蹴三(けりぞう)、助太(すけた)、舞子(まいこ)ロボカップ国際委員会のプレジデントを務める大阪大学大学院教授の浅田 稔氏。2050年には97歳になるが、ロボカップの仕掛け人で人工知能の研究で世界的に有名な科学者である北野宏明氏に「脳だけでも生かしておいてやる」と言われ、恐ろしい思いをしたという
昨年のリスボン大会において、ロボカップサッカー(ヒューマノイドリーグ)で優勝した“ドリームチーム・Team OSAKA(以下、Team OSAKA)”。写真の新型ロボット『VisiON NEXTA(ヴィジオン ネクスタ)』で連覇を狙う ヒューマノイドリーグで優勝したチームに。ルイ・ヴィトングループから贈られる“ルイ・ヴィトン ヒューマノイドカップ”。モノグラムのケースに収められたトロフィーは、地球儀を模した仏バカラ社のクリスタルガラス
昨年のリスボン大会において、ロボカップサッカー(ヒューマノイドリーグ)で優勝した“ドリームチーム・Team OSAKA(以下、Team OSAKA)”。写真の新型ロボット『VisiON NEXTA(ヴィジオン ネクスタ)』で連覇を狙うヒューマノイドリーグで優勝したチームに。ルイ・ヴィトングループから贈られる“ルイ・ヴィトン ヒューマノイドカップ”。モノグラムのケースに収められたトロフィーは、地球儀を模した仏バカラ社のクリスタルガラス
アクトロイド-DER アクトロイド-DER
(株)ココロの司会ロボット『アクトロイド-DER』も、大阪大会の開催を祝福

RoboCupは、“2050年までにFIFA(Federation Internationale deFootball Association、国際サッカー連盟)のチャンピオンチームに勝てるロボットチームを作る”という目標のもと、世界各国の個人/団体が研究開発したロボットを発表する場となっている。なぜサッカーなのかといえば、現在のロボット技術は“工場”で働く産業ロボット向けに開発されたもの。これをそのまま“生活”の中に取り入れられないが、そのギャップを埋めるために、世界で最も普及しているスポーツのサッカーを通じて「ロボットが人間と共生するためのさまざまな技術的な課題、象徴的課題を設定できるのではなかろうか」(浅田氏)と考えたのだという。

RoboCupの大会は、自律型ロボットを使った“ロボカップサッカー”(四足ロボット/ヒューマノイドなど5つのリーグに分かれる)、災害救助を目的とした“ロボカップレスキュー”、18歳以下が参加できる“ロボカップジュニア”の3部門に分かれている。1997年に名古屋で開催された第1回大会は10ヵ国40チームが参加したが、右肩上がりで参加者が増え、2004年の第4回大会は37ヵ国346チームが参加した。特に参加者が増えているのがロボカップジュニア部門で、近年では3部門中で参加チーム数が最も多い。浅田氏は、あるロボットの国際会議でアメリカのロボット研究者が「あと数年したらロボット研究者はすべてロボットジュニアの経験者になる」と述べたこと紹介し、期待を表明した。大阪大会では400チーム以上が参加する予定だ。

参加チーム数の推移。参加者の伸びは「想像以上」(浅田氏)という
参加チーム数の推移。参加者の伸びは「想像以上」(浅田氏)という

大阪大会の見どころは、自律型二足歩行ロボットによるロボカップサッカー・ヒューマノイドリーグの“2対2”競技だ。従来は、歩く・パスするなど基本動作を試す競技、独自の機能を披露するフリースタイル競技、ペナルティキック競技等のみであった。2対2競技は、基本的には2体1組のロボットチームで行なうサッカーなのだが、ロボカップ日本委員会委員長の松原 仁氏によれば、自律型二足歩行ロボットの場合は倒れた場合にどう立ち上がるかなど課題が多く「どういう2対2になるかが正直見どころ」なのだという。

会場には、2対2競技のデモンストレーションのために、昨年のリスボン大会の優勝チームTeam OSAKAがやってきた。Team OSAKAは、大阪市と大阪市の次世代ロボット産業振興拠点“ロボットラボラトリー”が支援する産学連携の共同開発グループだ。Team OSAKAのロボットは、昨年優勝したロボットの改良版・VisiON NEXTAで、旧型(VisiON)の8倍の処理速度を誇り、高速歩行やボールを認識して距離を測りながらシュートするといった素早い自律動作が可能になったのだという。ちなみに公開されている本体サイズは高さが475mm、重さが約3.1kgだ(旧型は380mm/約2.4kg)。デモでは、リモコンのロボットと大阪大会のマスコットキャラクター“明日丸”の即席チームを相手に、見事なシュートを決めていた。

ゴール前に明日丸とリモコンロボットが立ちはだかる
ゴール前に明日丸とリモコンロボットが立ちはだかる。いずれも競技用ではないので、ただの“壁”
360度見渡せる全方位センサーを搭載。周囲を見て、足元を見て、周囲を見て、足元を見て……と繰り返し、じわじわボールとの距離を縮める そしてシュート!
360度見渡せる全方位センサーを搭載。周囲を見て、足元を見て、周囲を見て、足元を見て……と繰り返し、じわじわボールとの距離を縮めるそしてシュート!
続・シュート なすすべもなく、ゴールを割られてしまう明日丸
ピンクの弾丸がゴールを狙うなすすべもなく、ゴールを割られてしまう明日丸(リモコンロボットは、横転してしまったので撤去)
2対2競技は、パスを中心にする戦術、ひたすらシュートを狙いに行く戦術などいろいろあるが、Team OSAKAは後者を採用する。シュートの切れ味がウリだ


今度はゴールキーパーのデモ シュート(スタッフが転がしたボール)が襲い掛かる!!
今度はゴールキーパーのデモシュート(スタッフが転がしたボール)が襲い掛かる!!
きちんとキャッチ クリアもできる
きちんとキャッチクリアもできる


そして今度はきわどいコースのシュートが!! セーブしようと躊躇なく倒れ込むが……
今度はゴール隅を狙ったきわどいコースのシュートが!! セーブしようと躊躇なく倒れ込むが……
無念だ 悔しがるスタッフ
無念だ悔しがるスタッフ
Team OSAKAのレベルの高さに、参加チームのすべてがそうだと限らないむね、主催者から告げられた

なお、大阪大会の開催にあわせ、RoboCupのiモード公式サイト“ロボガレージJACK”が、エフビットコミュニケーションズ(株)によって7月4日に公開される予定。詳細は来週以降に発表するというが、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモのFOMAのテレビ電話サービスを利用した動画配信プラットフォーム“Vライブ”を利用して、RoboCupの中継を行なう見込みだ。

日本SGI代表取締役の和泉法夫氏 BlackShip
こちらはRoboCupのスポンサー企業の1社、日本SGI(株)代表取締役の和泉法夫氏日本SGIが27日に発表したロボット開発支援プラットフォーム『BlackShip』。本体に研究開発向けのアプリケーションとソフトウェア開発キットが付属しており、拡張やカスタマイズが容易という。写真左はBlackShipに水陸両用のタイヤとカメラを取り付けたもの。右は超音波ユニットを取り付けたもの。販売開始は7月1日で、基本構成の価格は100万円


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