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サン・マイクロシステムズ、ネットワーク関連ビジネスの展開に関するプレス・ラウンドテーブルを開催――米本社エグゼクティブVP、ジョン・ファウラー氏が出席

2005年06月10日 20時20分更新

文● 編集部 内田泰仁

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サン・マイクロシステムズ(株)は9日、同社および米サン・マイクロシステムズ社のネットワークおよび製品戦略やビジネス/市場の今後の展開などをテーマとしたプレス向けのラウンドテーブルを開催し、米サン・マイクロシステムズのエグゼクティブ バイス プレジデントでネットワーク システムズ グループ担当のジョン・ファウラー(John Fowler)氏が出席し、プレス関係者の質問に答えた。

米サン・マイクロシステムズのエグゼクティブ バイス プレジデントでネットワーク システムズ グループ担当のジョン・ファウラー氏

ファウラー氏は、ソフトウェア開発部門を経て現在の役職に着任、ネットワーク・コンピューティング・システム関連部門全体を統括している。同社にとって“ネットワーク”はすべての製品群に関連する重要テーマであることから、この日のラウンドテーブルでは、ハードウェアからOSやアプリケーション・プラットフォーム(Java)などのソフトウェアなどまで、幅広いテーマに関する話題が取り上げられた。

まず最初に取り上げられたトピックは、サーバー市場の流れと同社の今後の展開について。主な注目点としては、x86系システムの64bit化の流れと、同社によるx86システムの展開、自社製プロセッサーの“SPARC”シリーズを搭載した製品群との関連についてだ。

ファウラー氏は、x86プラットフォームの64bit化については「歓迎すべき流れ」として、x86系サーバーの64bit化には、同社にとっても大きなチャンスがあるとしている。また、同社では2004年初頭以来、SPARCサーバーに加えてOpteronサーバーのラインナップの充実も継続的に進んでいるが、同氏はx86サーバー市場の成長を「ハイスケールなコンピューティングをより進展させる動き」とするとともに、同社ではOpteronサーバーの追加により製品ポートフォリオを補完し、HPCなどの分野においても高い価値を提供できるようになっていると述べた。

今後のサーバー製品の展開については、同社では現在製品のリリースを行なっていないブレードサーバーと、Opteronサーバーの今後に関する話題が取り上げられた。まずブレードサーバーについては、2006年の上期をめどに新製品の投入を考えているという。

この新ブレードサーバーの投入にあたっては、2004年2月にサンに復帰した創業メンバーの一人、アンディ・ベクトルシャイム(Andy Bechtolsheim)氏の存在が大きいようで、ファウラー氏は「アンディと再び仕事ができることを楽しみにしていた」「初めて会った15年前よりもさらにエネルギッシュになっている」と述べている。ベクトルシャイム氏は、サンへの復帰以前は米Kealia社(サンが2004年2月に買収。これにより同氏はサンに復帰した)でOpteronサーバーの開発に携わっており、ファウラー氏によると「彼(ベクトルシャイム氏)はラックおよびブレードサーバーのデザインに非常に傾注している」といい、「AMDのプロセッサーにテクノロジーアドバンテージがあると考えている」ベクトルシャイム氏の復帰で、同社のOpteronサーバーのラインナップはさらに拡大していくだろうとしている。

また、SPARCシリーズの開発と搭載製品の投入は、今後も継続して行なわれていくが、同社の基本的なスタンスとしては、プロセッサーやサーバーハードウェア自体がビジネスのコアではなく「中心はソフトウェア」だとしており、Java、Solarisへの投資の継続と、各種コミュニティーとの関係構築が戦略の重要なポイントだとしている。

ファウラー氏は、同社が目指す中心の市場を“エンタープライズ向けビジネス”だとしているが、ここで同社が成功するためには“技術の共有”が必要だという。“技術の共有”によりビジネス的な成功を得た代表例としては、Javaが挙げられており、同社では今後も、技術の共有により市場を新しく生み出し、そこでのビジネス獲得を目指すという。また、“技術の共有”の一環でもある『Solaris 10』のソースコード開示については、近日にも全ソースの公開を行なう。同氏は、Solaris 10で採用したライセンス方式“Common Development and Distribution License(CDDL)”により、オープン性とソースを利用した開発者の知的財産の保護を両立し、かつ製品の品質の保証に関しても同社が責任を持つという、画期的なソースコード開示になるとしている。特に、オープンソースなシステムを独自に大幅にカスタマイズしてビジネスに利用している企業(同氏はこのような企業の例として米グーグル社などを挙げている)にとっては、Solaris 10のライセンス制度は大きな強みになるだろうと述べた。

このほかの今後の同社やコンピューター業界の流れとしては、サーバーの仮想化技術、セキュリティー、シンクライアント/サーバーベース・コンピューティング、Opteronベースのサーバーなどについて、注目すべきカテゴリーとして触れている。

同社は、すでにSolaris 10において“Solarisコンテナ”としてOSの仮想化を実現しているが、今後は、システム/OSの仮想化にとどまらず、ダイナミックに構成を変更可能なストレージやネットワークの仮想化を進めていくとしている。しかし、同氏の考えでは、「仮想化は非常にエキサイティングなテーマだが、仮想化自体はあくまで“技術”であり、(ビジネスとして成功するには)仮想化を用いた価値を生み出し、提供していくことが重要」だとしている。このことを踏まえ、今後の仮想化技術の進展においては、「どのように使い、どのように運用し、どのように教育していくかが必要」だと指摘している。

セキュリティーに対しては、企業として考えなくてはならないポイントとして次の3つ挙げている。

  • 認証と権限管理
  • リソースへのアクセス制限
  • データのセキュリティーの確保

さらに同氏は、「ネットワークを信用できないのであれば、ネットワークの価値が発揮されることはない」として、セキュリティー問題を「今後5年の非常に重要なテーマ」と位置付けていると述べている。

セキュリティー対策の一環としても注目を集めているシンクライアント/サーバーベース・コンピューティングについては、“Sun Ray”のラインナップの充実を進め、x86版やLinux版のSun Rayサーバーの投入を計画しているという。Sun Rayのメリットとしては、セキュリティー保護だけでなく、少人数で多数のクライアントを管理可能、クライアント側に消費電力の大きい部品を持たせないことによる電力の削減(ノート型端末の場合、8~10時間程度の駆動が可能)、などといったコスト面でのメリットも大きいとしている。また、サーバーの強力な処理性能を生かせるのも長所としており、例としては、デザイン系の部門での利用例を挙げている。このような現場では、個人の環境には端末と高解像度の大型ディスプレーを配置し、大規模な3D計算や画像の処理には強力なサーバーのリソースを使っているという。

また同社では、今年4月に発表した日本電気(株)との戦略的アライアンスの拡大の中で、シンクライアント分野における協力体制強化も含まれているといい、今後、NECと共同でクライアントの開発も進めるという。一方で、「サンやNECだけがクライアント端末のベンダーではなく、多くの企業にクライアント開発に参加してほしい」ともしている。

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