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GeForce 6200TCのパフォーマンス検証

GeForce 6200TCのパフォーマンス検証

2005年05月20日 05時10分更新

文● 鈴木 雅暢

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従来の6200やGMA900との性能差は? ベンチマークテストの結果

 気になるのは、従来GeForce 6200とGeForce 6200TCはどのくらい性能が違うのか、あるいは915G内蔵のGMA900と比べてどのくらい高速なのかといったところだろう。今回は、玄人志向ブランドの製品からATIも含めたバリュークラスのGPU搭載カードを一通り集めて比較を行なった。テスト環境は別掲したとおりだが、利用した各カードのスペックについては次ページで確認していただきたい。

ベンチマークテスト環境

CPU
Pentium 4 560
メモリ
PC3200 DIMM 512MB×2
マザーボード
Albatron PX915G Pro(Intel 915G)
HDD
Barracuda 7200.7
OS
Windows XP Professional(SP2)
ドライバ
ForceWare 71.20/Catalyst 5.1

 PCMark04では、ビデオ性能(Graphics)と、それを含めたシステム全体の性能(PCMark)を計測している。GraphicsのスコアがRADEON X300SEよりも高いのに、GMA900や6200TCのPCMarkのスコアが低いのは、メインメモリ共有によるオーバーヘッドの影響が見られる。また、Graphicsのスコアを見ると、6200TC(64MB)は6200(128MB)に約34%の差をつけられているが、RADEON X300に対しては約7%差と健闘している。

 3Dゲーム系テストの結果はどれもほぼ同じ傾向だ。GeForce 6200TC(64MB)は、すべてのテストでGeForce 6200に対して明らかに劣り、その差は65~75%前後、負荷の重いテストのほうが、差が少ないという傾向がある。ATIのX300との比較では、ATI製GPUが得意なFF XIをのぞけば、7%~12%のなかなかいい勝負をしており、こちらは負荷の重いテストのほうが差が少ない傾向だ。また、6200TC(64MB)は、RADEON X300SEとGMA900に対しては明らかなアドバンテージを見せている。

 なお、今回の環境ではシステムのメモリは1GBだが、試しに512MBに減らしてみてもスコアに変化はなく、必須環境の512MBを満たしていれば性能落ちはないようだ。一方、GeForce 6200(16MB)のほうだが、これはGMA900とほぼ同レベル、3DMark03ではそれ以下のスコアしか出せていない。

 消費電力の値はビデオカードのみではなくシステム全体の消費電力を計測しているので、相対評価としてみてほしい。NVIDIA製の中では性能順、ATIとの比較では、NVIDIAのほうが省電力となっている。プロセスルールは同じ0.11μmだが、6200TCが採用しているlow-k(低誘電体層間絶縁膜)の効果が出ているのだろう。

●PCMark04 Build120

PCMark04 Build120
2D/3Dビデオ性能(Graphics)と、それを含めたシステム性能(PCMark)を計測。6200TC(64MB)のGraphicsスコアは、6200(128MB)から約34%減、X300から約7%減。

●FinalFantasy XI Vanadiel Bench3

FinalFantasy XI Vanadiel Bench3
参考までにLOWも記載したが、ゲームの快適さはHIGHを基準にしたい。6200TC(64MB)のスコアは2595とまずまず。GMA900より低い6200TC(16MB)は実用にはならない。

●3DMark2001SE

3DMark2001SE
DirectX7~8.1世代のテスト。6200TC(64MB)の性能は、6200(128MB)の約67%、X300の86%。X300SEとGMA900には勝っており、差はそれぞれ32%、43%。

●3DMark03 Build350

3DMark03 Build350
Direct X7~9世代のテスト。傾向は2001SEとほぼ同じで、6200TC(64MB)の性能は、6200(128MB)の約62%、X300の89%、X300SEの136%、GMA900の163%。

●AquaMark3

AquaMark3
DirectX 9世代のテスト。6200TC(64MB)の性能は、6200(128MB)の約73%、X300の89%、X300SEの117%、GMA900の217%。このクラスのカードでは少々苦しい。

●消費電力

消費電力
サンワサプライのワットチェッカーで計測。アイドル時は915G内蔵のGMA900が低く、3D描画時(AquaMark3実行時)はlow-kの有無の影響かX300/X300SEが少々高い。

 GeForce 6200TCは、リファレンスデザインがファンレスのうえ、もともとのバス幅が最大64bitであるためロープロファイルにもしやすい(性能が低下しない)。特に64MBモデルは性能面でもGMA900に対する明らかなアドバンテージがあり、なかなか魅力的なソリューションであるといえる。ただ、同じ6200TCでも16MB版のほうは、性能面ではGMA900に対するアドバンテージがなく、915Gシステムを使っているなら積極的に導入する理由は見当たらない。DVI出力やTV出力を行なうライザー(ADDカード)代わりとして、あるいはチップセットがビデオ内蔵ではないシステム用などに限定されるだろう。

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