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あの懐かしの“MSX”がもうすぐ1チップで復活!  “MSX WORLD EXPO 2005~I LOVE MSX~”レポート

2005年05月10日 21時28分更新

文● 外村

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 “MSX WORLD 2005 実行委員会”は8日、秋葉原クロスフィールド内の“ダイビル”で“MSX WORLD EXPO 2005~I LOVE MSX~”を開催した。協力は“JCGA”(日本コンピュータゲーム協会)、(株)アスキーソリューションズ、RetroPC Foundationなど。会場では100万ゲートFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載した「1チップMSX」(予価1万9800円)の発表が行なわれた。

西和彦氏
MSXのこれまでの歩みと今後のビジョンについて語る“MSX アソシエーション”代表の西和彦氏。“MSX.edu”はロジックのユーザー側でのカスタマイズやグラフィックス描画性能などを強化することが可能なFPGAを採用しており、技術者育成のための学習に最適という
堀内伸郎氏
アルテラ社の堀内伸郎氏。FPGAを使えば、PCと開発ツールを用いて卓上でCPUの開発ができると説明する

 冒頭では“MSX アソシエーション”代表の西和彦(元アスキー)氏による「これまでの20年 これからの10年」と題する基調講演が行なわれた。氏は「天才的なプログラマは(CPUの設計を)行なえるが、一般人には遠い存在」とし、現状のコンピュータづくりについての敷居の高さを指摘。「1チップMSX」をさらに簡素化して学習に最適化した“MSX.edu”や、マイクロ波を利用して無線通信を行なう“WiMAX”(Worldwide Interoperability for Microwave Access)への対応、ギガビットイーサネットを搭載して高性能化した“MSX.net”などの構想を明らかにした。
 使用するFPGAチップに関しては、アルテラ社プロダクト・マーケティングシニアマネージャーの堀内伸郎氏がソリューションの紹介を行ない、同社のFPGAの多彩なラインナップや性能、コストのメリット、開発ツールなどに関する優位性について解説した。なお、今回発表された「1チップMSX」に搭載されているFPGAである「Cyclone II」は、家電などを中心に1000万個出荷しているとアピールした。

似非職人工房のブース 似非PLDシステム
似非職人工房のブースでは「1チップMSX」である「似非MSXシステム」や、SCSI機器とMSXとの接続を可能にする「MEGA-SCSI」、4MBのメモリを増設する「うっかりくん」などの周辺機器を展示「似非PLDシステム」。アルテラ社のFPGAを使い、MSXのスロットに差し込むことでPSC/SCC/VDPなどの機能を拡張する
似非MSXシステム2 似非MSXシステム3
「似非MSXシステム2」は、2003年に発表したFPGAによるMSXクローン。MSX1の機能をハードウェア記述言語によるプログラムで実現したこちらは「似非MSXシステム3」。2004年に発表された量産試作機。「似非MSXシステム2」と見た目はことなるが、機能的には大差ない

 その後の講演では「1チップMSX」および「携帯電話用MSXPLAYer」を発表。「1チップMSX」は最小ロット5000個での製品化となり、予約締め切り後4ヵ月内に発送を予定しているとのこと。同製品の開発を行なった似非職人工房のブースでは、MSXハードウェアクローン「似非MSXシステム」のほか、最新の「似非MSXシステム3」が展示されており、参加者の注目を集めていた。
 会場では、前回に引き続き過去に発売されたMSXも展示。そのほかMSX用のゲームが任天堂「ゲームボーイアドバンス」、「ニンテンドーDS」や日本ヒューレット・パッカード「iPAQ 1937」上で動作しており、こちらも注目を集めていた。(株)アスキーのブースでは、5月中旬に予約開始となる「1チップMSX」の先行予約受付が行なわれていた。さらにシャープのノートPC“Mebius”シリーズ上で動作する「MSXPLAYer」のデモが行なわれていたほか、Tシャツやポスターなどが販売された。

展示 コスプレ
皆の心を熱くした往年の名機も展示会場には育成シミュレーションゲーム「プリンセスメーカー」(左)とアクションゲーム「夢幻戦士ヴァリス」(右)のコスプレイヤーも登場
ゲームボーイエミュ イメージ
任天堂の「ゲームボーイアドバンス」上で動作するMSXエミュレータの動作デモなんと「ニンテンドーDS」でもMSXが動いている! と思わせる画面だが、実際は動作をイメージ表示しただけのもの
PocketPC MSX PLAYer
日本ヒューレット・パッカードのPocketPC「h1937」でもMSXが動作! 2004年にASOBIT CITYで開催された“MSXマガジンまつり”でも出展されていたシャープのAthlon 64搭載ノートPC「PC-XG70H」上で動作する「MSX PLAYer」のデモ
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