(株)アスキーは11月30日(日)、3日に発売となる『MSX MAGAZINE 永久保存版2』の発売記念イベントとして“MSXマガジンまつり”を開催した。協力はラオックス(株)とMSXアソシエーション。このイベントは第1号発売時のあと今年2月にも行われており、これが2回目。ASOBIT CITYでは発売日を前に「MSX MAGAZINE 永久保存版2」の先行販売も始まった。
会場にはバックナンバーがズラリ | 今回も「記念撮影コーナー」は健在 |
アスキー元社長・西和彦氏による基調講演が行われた |
11時よりアスキー元社長・西和彦氏による基調講演が行われ、今後のMSXプラットフォームの発展について説明がなされた。西氏は2004年のリリースを予定しているMSX-DOS 3.0に触れ「2HDをサポート、さらにTCP/ICを実装しインターネットに対応するようになる」と語った。さらに次世代MSXとして、これまでたびたび話題に上っている1チップMSXについて「カーナビ、HDDレコーダ、DVDプレーヤなどに組み込みたい」とし、「ネットで常に最新の機能へ書き換えられる“FPGA(Field Prgrammable Gate Array、プログラミングが可能で、プログラムを書き換えることでさまざまなハードウェアをエミュレートできるCPU)”でやりたい」と構想を述べた。問題はいつ形になって姿を現すかということになるが、これに関しては「2004年内に試作機をリリースする」とのこと。講演は開発中の1チップMSXについての解説に多くの時間がかけられた。
このほか、「MSX MAGAZINE」表紙CG作者の大野一興氏(今回の『MSX MAGAZINE 永久保存版2』でも表紙を担当)と元MSX MAGAZINE編集長田口旬一氏のトークショーが催された。内容は主に当時の裏話で、大野氏がCGに興味を持った頃CG環境を持つ施設がほとんどなく、人づてに聞き回った末にアメリカや日本国内の大学でやっと触れることができたこと、その中でCG機材を持っていたアスキーとの縁ができ「MSX MAGAZINE」表紙を担当することになった経緯などCG環境の貧弱な時代の苦労話が語られた。また、担当した当初はNEC「PC-100」でCGを製作していたものの、当時社長だった西氏に「MSXの雑誌だからMSXで描くべき」と指示され、スペックの向上した“MSX2”機でようやくそれが可能になったこと、MSXの仕様を超える解像度のイラストを描くため画面9枚に分けて描き、繋げて1枚にするという方法を取っていたこと、大野氏のリクエストでアスキー社内で多くのツールが製作されたことなど、思い出話を披露。
展示スペースでは『MSX MAGAZINE 永久保存版2』で受賞作が発表されたプログラムコンテストの授賞式、また大野一興氏によるMSX実機でのイラスト製作実演などのミニイベントも催された。
会場には前回に続き、MSX機の数々が展示。『MSX MAGAZINE 永久保存版2』の付録でもあるMSXエミュレータ「MSXPLAYer」の新バージョンのデモも実施された。エミュレータはWindowsのほか、HP「iPAQ」、NEC「sigmarion III」などWindows CEを搭載するPocket PCで動作しており注目が集まっていた。さらにMSXエミュレータ「openMSX」を「Lindows OS」上で動作させるデモも目を引いていた。
WindowsでMSXのゲームカートリッジをプレイできるUSB接続の「MSXゲームリーダー」も出展、キーボード一体型PC「KeyPaso」をベースに「MSXPLAYer」をセットにした、MSX20周年記念モデル「MSXPC 20th Anniversary Model」と共に予約受付が行われていた。なお、「アスキーストア」でも予約を受付中だ。
前述したように「MSX MAGAZINE 永久保存版2」は12月3日に正式発売。価格は2800円(税抜)。
展示されていたMSX機。こちらは松下製 | ソニー製歴代MSX機 | 東芝製歴代MSX機 | ||
ヤマハ製歴代MSX機 | 三洋/三菱/日立製MSX機 | MSX2、MSX2+のプロトタイプ |
こんなメーカーも作っていた、という3機種。それぞれ富士通、フィリップス、韓国DAEWOO。 |
周辺機器の展示も。アルプスのタブレット | 周辺機器の展示より、メーカー自体懐かしさでいっぱいのトラックボール | 周辺機器の展示より、ヤマハ製キーボード |
「MSX MAGAZINE 永久保存版2」の付録でもあるMSXエミュレータ「MSXPLAYer」のデモ | 「MSXPLAYer」Windows CE版 | USB接続の「MSXゲームリーダー」とMSX20周年記念PC「MSXPC 20th Anniversary Model」。予約受付が実施された |
「Lindows OS」上で動作するエミュレータ「openMSX」 |
MSXファンお馴染みのソフトハウスであるボーステック(株)の鈴木直人氏のミニトークショー。司会はMSXアソシエーションの横居氏 | 「MSX MAGAZINE」表紙CG作者の大野一興氏によるMSX実機を使用したGC実演。なんとモニタ上で一発描き! | |
漫画家・すがやみつる氏によるミニトークショー | 大野一興氏と元MSX MAGAZINE編集長田口旬一氏のトークショー。当時の思い出話と苦労話に会場は湧いていた |