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インテル、企業向け64bitプラットフォームについての説明会を開催――EM64Tや拡張版SpeedStep対応のPentium 4 6xxが今年後半の主流に

2005年02月10日 01時34分更新

文● 編集部 小西利明

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企業向けのインテルプラットフォームについて語るエンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長の平野浩介氏
企業向けのインテルプラットフォームについて語るエンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長の平野浩介氏

インテル(株)は9日、報道関係者を集めた製品戦略説明会“企業向け64ビット・コンピューティング・プラットフォームに対する製品戦略”を開催し、今年登場予定のPentium 4やXeonプロセッサーについての説明を行なった。今年前半には64bit拡張をサポートしたPentium 4 6xxシリーズが登場するほか、マルチプロセッサーシステム向けのXeon MPにも64bit拡張対応版を投入、デスクトップからエンタープライズ向けサーバーまで、幅広い分野で64bit CPUを投入する。

始めに壇上に上がった同社エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長の平野浩介氏は、同社がエンタープライズ分野で取り組んでいる2つの流れについて説明した。まずひとつは“64bit化”で、デスクトップからバックエンドサーバーまで、64bit CPUに投資をしていくことを表明した。もうひとつの流れは“プラットフォーム志向”。マイクロプロセッサーや周辺チップといったシリコンビジネス中心から、半導体を軸にコンピューターを構成するハードウェア・ソフトウェア(ドライバーや制御ソフト、開発ツールなど)を幅広く手がけるプラットフォーム志向へと舵取りしていると述べた。その現われのひとつが、企業向けプラットフォームで展開している“インテル・ステーブル・イメージ・プラットフォーム”である。これは、たとえば同一のマザーボードで2世代分のCPUに対応できるような拡張性のある設計を行ない、同時に新しいプロセッサーに対応したドライバーの提供を保証することで、エンドユーザーはプラットフォームの移行コストを抑えながら、性能を向上させられるというコンセプトである。その上で平野氏は、同社のビジネス向けプラットフォームの開発について、“成長を支援(拡張性)”“生産性の向上、低コスト化”“(信頼性を含む)リスク低減”の3点が、企業ユーザーから求められているポイントであると述べた。

インテルのプラットフォーム戦略の中で、どの技術がどのカテゴリーに属するかの図。CPUだけでなくこれらの技術も総合して提供することで、クロック周波数以外の利点を提供できるとしている。この戦略はある意味、クロック周波数の向上が鈍っている裏返しとも言える
インテルのプラットフォーム戦略の中で、どの技術がどのカテゴリーに属するかの図。CPUだけでなくこれらの技術も総合して提供することで、クロック周波数以外の利点を提供できるとしている。この戦略はある意味、クロック周波数の向上が鈍っている裏返しとも言える

64bit化の流れのひとつとして取り上げられたのが、64bit対応のデスクトップパソコン向けのPentium 4である。同社マーケティング本部IAクライアントプロダクトマーケティングでデスクトップ分野を担当する荒木義満氏により、今月中に発表予定の新Pentium 4シリーズである、“Pentium 4 6xx”(コード名Prescott 2M)についての説明が行なわれた。

今年前半に登場予定の、プロセッサナンバー“6xx”台のPentium 4に追加される主な機能 Pentium 4 6xxシリーズについて解説する、インテル マーケティング本部IAクライアントプロダクトマーケティングでデスクトップ分野を担当する荒木義満氏
今年前半に登場予定の、プロセッサナンバー“6xx”台のPentium 4に追加される主な機能Pentium 4 6xxシリーズについて解説する、インテル マーケティング本部IAクライアントプロダクトマーケティングでデスクトップ分野を担当する荒木義満氏

600番台のプロセッサナンバーを付けられる新Pentium 4によって、デスクトップパソコンには以下の4つの新要素が導入される。

2MBの内蔵2次キャッシュ搭載
現行のPentium 4(2次キャッシュ 1MB)と比べて、倍の2次キャッシュを搭載することでパフォーマンスを向上させる。
“拡張版インテルSpeedStepテクノロジ(EIST)”対応
ノートパソコン用のPentium Mと同様の省電力技術EISTを導入。低負荷時の電力消費を大きく減少させることで、省電力化と低発熱化を実現。
“エグゼキュート・ディスエイブル・ビット(NXbit)”対応
バッファーアンダーランエラーを利用するウィルスや不正アクセスプログラムの動作を防止する。
“インテル エクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)”対応
IA-32プロセッサーの64bit拡張技術。IA-32用OSやアプリケーションとの互換性を保ちつつ、64bitのOSやアプリケーションにも対応する。

Pentium 4 6xxシリーズは、当初はハイエンドデスクトップパソコン向けに登場し、対応するチップセットはIntel 925XE/925X/915G Expressチップセットである。動作周波数や価格等は公表されていない。現時点では同CPUの64bit拡張をサポートするOSはLinux程度だが、マイクロソフト(株)も64bit対応のWindows XP ProfessionalとWindows Server 2003の早期評価プログラム(リリース候補版)を提供しており、製品版の登場も間近と期待される。市販アプリケーションの動作検証や64bit化はこれからの課題であるため、ホームユーザーが64bit化の恩恵を受けるのはまだ先のことだが、カスタムアプリケーションを使用する企業ユーザーは、OSがリリースされればいち早く64bit化のメリットを体験することも可能であろう。

企業向けデスクトッププラットフォームの移行予想図。今年後半にはほぼ全分野にPentium 4 6xxを投入し、ハイエンド分野にはデュアルコア版も投入する
企業向けデスクトッププラットフォームの移行予想図。今年後半にはほぼ全分野にPentium 4 6xxを投入し、ハイエンド分野にはデュアルコア版も投入する

さらにインテルは今年を“64bitサーバーコンピューティングの年”と位置づけており、デスクトップ、デュアルプロセッサーサーバー、マルチプロセッサーサーバーの全分野で64bit対応CPUを提供するとしている。シングル~デュアルプロセッサーシステム向けの64bit Xeonプロセッサーは、すでに昨年6月に登場している。この64bit Xeonプロセッサーは登場後わずか半年で100万個を出荷したばかりか、2004年第4四半期には32bit版の出荷台数を追い抜くほどの売れ行きを記録しているという。既存の64bit Xeonプロセッサーは、デスクトップ向けのPentium 4 5xxシリーズ(コード名Prescott)と同じコアを使っているが、Pentium 4 6xxと同じコアを使った新バージョン(コード名Irwindale:アーウィンデール)も、今月中に登場する予定である。2次キャッシュが2MBに増量されるほか、サーバー・ワークステーション版EISTである“デマンド・ベース・スイッチング”省電力機能などを搭載する。

サーバー向けCPUとプラットフォームのロードマップ。64bit版Windowsと歩調を合わせて、Xeon DPに続きXeon MPも64bit化される 新しいXeon DP(Irwindale)の特徴。新要素はPentium 4 6xxとほぼ等しい
サーバー向けCPUとプラットフォームのロードマップ。64bit版Windowsと歩調を合わせて、Xeon DPに続きXeon MPも64bit化される新しいXeon DP(Irwindale)の特徴。新要素はPentium 4 6xxとほぼ等しい

マルチプロセッサーサーバー向けのXeon MPにも、今後90日以内に64bit対応版が登場する予定だ。Xeon MPは年内にデュアルコア版(コード名Tulsa:タルサ)が登場する予定とされているが、64bit化されるXeon MPの次バージョン(コード名Potomac:ポトマック、およびCranford:クランフォード)に合わせて、Tulsaを視野にいれたプラットフォームの拡張も行なわれる。デュアルコア対応の設計やプロセッサーごとに独立したシステムバス(クロック周波数も現行400MHzから667MHzに向上)、Irwindaleと同様の省電力技術やPCI Express対応などが予定されている。

Xeon MPベースのプラットフォームの2005年ロードマップ。デュアルコア化される次々バージョンTulsaにも対応するため、プラットフォーム自体が大がかりにアップグレードされる
Xeon MPベースのプラットフォームの2005年ロードマップ。デュアルコア化される次々バージョンTulsaにも対応するため、プラットフォーム自体が大がかりにアップグレードされる

Xeonの64bit化が進み、プラットフォームの機能も強化されると、いよいよサーバー向け64bit CPUである“Itanium2”シリーズとのバッティングが気になるところだ。これについて平野氏は、Itanium2は日本アイ・ビー・エム(株)のPowerアーキテクチャーやサン・マイクロシステムズ(株)のSPARCなど、メインフレームで使われるハイエンドRISC CPUシステムの置き換えを狙うとして、住み分けは可能との見解を示した。

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