米アップルコンピュータ社Power Macプロダクトマーケティング シニアプロダクトマネージャーのトッド・ベンジャミン(Todd Benjamin)氏 |
昨日国内で開催された新製品発表会に合わせ、米アップルコンピュータ社から3名のプロダクトマネージャーが来日。ASCII24編集部では、新たに発表になった製品についてインタビューを行なう機会を得たので、ここに紹介したい。まず今回登場していただくのは、Power Macプロダクトマーケティング シニアプロダクトマネージャーのトッド・ベンジャミン(Todd Benjamin)氏だ。
氏はMac miniを手にしながら、「Macを使ってみたいと言ってくれる人が増えている。はじめてのユーザーでも使える製品だと思う」と切り出した。ただし、氏の言う“はじめて”…というのは初心者という意味ではないだろう。なぜなら、同製品はすでに「マウス、キーボード、ディスプレーなどは自分のものを使っていただく」ことを念頭においている、つまりセカンドマシンとして気軽に導入できる位置づけが考慮されているように思われるからだ。もちろんオプションとして新たに周辺機器を購入して、一からそろえていくケースもあるだろうが、むしろWindowsユーザーも視野に入れた言葉と考えられるだろう。
CPUとHDDの違いによって2種類のバリエーションを用意 |
セカンドマシンとしての導入の敷居を下げているのが、その価格だ。5万8590円の1.25GHzモデルと7万140円の1.42GHzモデルといった2種類がラインナップされている。 「価格的にこなれており、その意味でもMac miniは優れている。しかも、Macintoshに期待されるフィーチャーがすべて入っている本格的なコンピューターだ。つまりG4プロセッサー、ギガバイトのメモリー、FireWire…CDの書き込みとDVDの再生の両方をサポートするドライブ…オプションでスーパードライブをつけることもできる。Bluetoothの機能もサポートされている。このようなコンピューターはしばらくでていなかったように思う」
各種インターフェースが背面にあるのは普通だが、電源スイッチまでもが背面に | 筐体底面には吸気口が開いている |
確かにWindows系の自作市場ではコンパクトなベアボーンキットが花盛りで、同製品に近い筐体も登場しているが、あくまでもベアボーンであり、この価格には到底及ばない。
マザーボード。メモリースロットは1本しか搭載しない。なお、HDDは2.5インチタイプを搭載しているとのこと |
また、Mac miniの天板にはアップルのロゴが入っている。iBookやPower Bookの天板のロゴは光るが、Mac miniのロゴは光らない。「天板はポリカーボネートになっているけど光らないよ。(そういう要望があれば)技術にフィードバックしておきましょう(笑)」
正面には光学式ドライブの口があるだけのすっきりとしたデザイン。LEDはスリープ状態になると、呼吸をしているかのようにゆっくりと点滅する |
Mac miniの正面は非常にすっきりしている。光学式ドライブの口と電源用のLEDしかない。電源スイッチは背面に装備されている。この理由について氏は 「(電源スイッチは)わざと背面にもってきている。Mac OS Xを使っているユーザーはコンピューターをオフにすることはまずないということが判明したからだ。ユーザーが高速回線を使用するようになったこともあるかもしれないが、音楽を聴いたりスライドショーを見たり、Always Onの状態にある。それにスリープにしている時はエネルギー効率がいいと思われるし、Mac miniはスリープからすぐに起動してくれる」 と話す。
「ポータブルコンピューターと言ってもいいくらいなんだけどね(笑)。店舗で購入しても、こんな感じで持って帰ってくることができる」と取っ手つきのパッケージを紹介してくれた |
筐体のサイズは幅165.1×奥行き165.1×高さ50.8mmと非常にコンパクトであるため、排熱について心配になるところだ。しかし氏は 「特に心配していない。ポータブルシステムの中身と非常に似ているので、特にヒートパイプを使ったり特殊なことはやっていない。よく見ていただくと下からエアーが入ってきて、背面から出ていくようになっている。熱デザイン的に非常に優れたデザインで、しかもシンプルであり効率がいい」 と話す。
氏はMac miniについて、Macをはじめて使う人たちにとってトリガーとなると自信をみせた。