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【静音生活のススメ】“Efficeon”搭載Be Silent Mt6600を試す

2005年01月18日 23時01分更新

文● 鈴池和久

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●実際に動作させてみる

 では、いよいよ「Mt6600」を動作させてみる。注目すべきポイントはいくつかあるが、BIOSセットアップの内容やWindows XPでの操作具合、それと静音性などについてレポートしよう。
 なお、今回のサンプルにはIDEケーブルは用意されているものの、3.5インチ用で2.5インチHDDには接続できなかった。もちろん実際の製品では2.5インチHDDが使用できるようになっているが、今回は前述したオプション機器を併用し、3.5インチHDDを接続した状態でテストしている。

 本体フロントパネルの電源ボタンを押すと数秒でAward BIOSの見慣れた起動画面がディスプレイに表示された。Deleteキーでセットアップ画面に移行するのもPC自作経験者なら違和感はないだろう。セットアップ内容に特別変わった項目があるわけではないが、全体的にシンプルにな内容にまとめられており、せいぜいチップセット間のデータ転送スピードや帯域幅を設定する項目が用意されている程度だ。ただし、“PC Health Status”での項目はデスクトップ用のマザーボードと同様にCPU温度やファンの回転数に加え、主要電源電圧のモニターが可能である。そしてCPUの死活に関わる「冷却」については、CPUファンの動作監視機能やCPU温度が設定温度に到達するとシステムをシャットダウンさせる機能がしっかりと備わっている。

 次にWindows XPを起動してみた。体感的に極端なストレスは感じない。むしろスムーズに動作する感じで、日頃のメールのやり取りやネットを楽しむと言った軽い使い方なら十分な性能だと思われる。試しにMP3エンコード処理を実施してみたところ54.8MBのWAVファイルを15秒26で変換した。ちなみに「54.8MBのWAVファイル」とは5分26秒の楽曲に相当する。実感として全く不満はないが、例えばアルバム1枚15曲を一度に変換するとなると多少の待ち時間は覚悟しなければならないだろう。
 なお、先のBIOSセットアップのところで述べた“PC Health Status”の内容がWindows上でもモニターできるソフトウェアが付属している。

演奏時間5分26秒のWAVファイルをMP3にエンコードした結果は15秒26で、思ったほど遅くもない。
製品に付属するシステムモニターソフト「ObServrer 4」は、各電圧や温度などのモニターが可能になっている。

 さて、本機の静音性については、もともと「MB860」(マザーボード)がファンレス仕様なので騒音源そのものがなく、唯一「Mt6600」のケース天板に60mm角のファンが1基取り付けられているに過ぎない。しかもこのケースファンは12Vの4,500rpm仕様であるにもかかわらず、あえて5Vで動作させており、本来の回転数より格段に低い回転数(約2000rpm)となっているところがポイントだ。ケースファンとその配線状況を撮影した写真を見ればそのカラクリが理解できるかと思うが、ファンの電源(5V)は、電源基板から出力されるドライブ用電源ケーブルから分岐して供給されている。ファンの回転数を伝える信号線とアース線だけがマザーボードに接続されているのだ。
 実際のところ「Mt6600」は無音ではないが、いたって静かである。しかもその静かさは安定していて、例えばCPU温度が高温になると急にファンの回転数が変化するというような変動は全くない。体感的には深夜の使用にも支障のないレベルの騒音で、むしろチョイスするHDDによってはHDDの動作音がまさることも十分考えられる。

12V定格の60mmケースファンを5Vで動作させつつ、ファンの回転数をモニターさせる配線テクニックの全貌。信号線とアース線だけがマザーボードに接続されている

●気になる要素とは…

 では、良い面ばかりかというと少しは妥協しなければならない要素もなきにしもあらずだ。9万2400円という価格は、例えばAOpen製「XC Cube EZ855」(4万5000円~4万6000円台)同じくAOpen製「A8855-M」(3万1000円~3万3000円台)など、Pentium Mに対応する廉価なベアボーンPCが台頭してきた現時点では、価格的には不利であることを認めざるを得ない。
 その差を静音性能やサイズなどの「Mt6600」が持つ他の要素で相殺して逆転できるなら、「Mt6600」は「最高のランクに位置する静音コンパクトPC」と言っても過言ではないだろう。

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