(株)SRAは14日、サービス指向アーキテクチャー(SOA、Service Oriented Architecture)およびウェブサービスに基づくソリューション・ビジネスの本格的な展開開始に向け、ウェブサービス関連のレジストリー/テスト/運用・管理などのソフトウェアを持つ米国のソフトウェア開発会社との業務提携契約を締結し、SOA/ウェブサービス事業を本格的に展開していくと発表した。同社は、今回の業務提携により、ウェブサービスにおける開発から運用・保守までをトータルにサービス提供可能になったといい、2004年度内に最初の顧客を獲得したいとしている。
SRAの代表取締役社長、鹿島享氏 | 2社との業務提携を含むSRAのSOA/ウェブサービス事業の概要 |
今回SRAが業務提携を行なうのは、米Infravio社と米AmberPoint社の2社。Infravioとはすでに契約を締結、AmberPointについては、現在交渉の最終段階で近日中に契約締結の予定。同日に行なわれた記者説明会で発表の概要を説明した同社代表取締役社長の鹿島享氏は、「両社とも若い会社(Infravioは1999年、AmberPointは2001年創業)だが、SOA/ウェブサービスの分野で高度な技術と多くの実績を持つ」との評価を述べている。2社の主要事業ジャンルと製品は以下のとおり。
- Infravio
- ウェブサービスのレジストリーに関する製品が主力。主要顧客は、出版業/サービス業/製造業/政府など。ウェブサービスの標準化団体“OASIS”(Organization for the Advancement of Structured Informatioin Standards)メンバー。
- 主要製品:『X-registry』(ウェブサービス・レジストリー。規格適合性検査/認証/サービス公開のワークフローなどを行なう)、『X-broker』(ウェブサービス・ブローカー。セキュリティー付加、ロードバランシング、X-registryと連携したQoS管理などを行なう)、『X-console』(ウェブサービスの運用管理コンソール)、『Infravio Ensemble』(前述3製品を連携動作させるパッケージ)
- AmberPoint
- ウェブサービスの管理/監視ツールが主力製品。IBMの“Tivoli”、ヒューレット・パッカードの“HP OpenView”、マイクロソフトの“Microsoft Operations Manager”などの管理ツール群との連携が可能。主要顧客は、金融業/通信業/製造業/流通業/政府など。標準化団体“OASIS”メンバー。
- 主要製品:『AmberPoint Management Foundation』(ウェブサービスの管理/監視およびセキュリティー付加などを行なうツール)、『Service Level Manager』(サービス品質監視、異常時の自動フェイルオーバー機能などを行なうツール)、『Exception Manager』(リアルタイムサービス障害原因解析/解決ツール)、『AmberPoint Express』(開発者向けのウェブサービスのテスト/パフォーマンス測定ツール。マイクロソフトの『Microsoft Visual Studio 2005 Team System』に同梱)
SOA/ウェブサービスの基本的な考え方 |
これを踏まえ同社は、従来より持つシステム開発/運用に関するノウハウと、今回業務提携を締結する2社の製品を組み合わせることにより、SOA/ウェブサービスに関するトータルなSIサービスを提供していくとしており、具体的な取り組みとしては、
- 社内にSOA/ウェブサービスの専門部隊を創設して知識/ノウハウを集中、コンサルティングやアーキテクチャー設計から実際の開発までのサービスを提供
- Infravio、AmberPointの製品の専門トレーニングを受けた要員による製品導入コンサルティング/導入/運用サービスを提供
- SOA/ウェブサービス技術の市場での理解度/認知度向上を目的としたセミナー/出版/教育ビジネスを展開
などを行なっていくという。想定される対象顧客は、複数拠点の情報システムの連携が必要/複数のプラットフォーム(Windows、UNIX、メインフレームなど)が混在/レガシーシステムを中心とした連携が必要、といった問題を抱える大手企業(製造/流通/金融/証券/情報通信)および公共機関などが挙げられている。なお、InfravioおよびAmberPointの製品は、日本語ローカライズを行なう予定だという。
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